宇宙

2023.05.02 13:30

フラワームーンの半影月食とハレー彗星が残した「流れ星」が楽しめる今週の夜空

安井克至

多くの花々が咲き誇ることから5月の満月を「フラワームーン」とも呼ばれる(Getty Images)

今週の空は満月に支配される。週末に向かって満ちていく月は、日没後の夜空を明るく照らし、天体観測を不可能ではないが、困難にする。天体観測の初心者には、むしろ幸いかもしれない。容易に見えるのは明るい(すなわち重要な)星々だけだ。そういうわけで、今週は月の光を楽しむべく、オレンジ色の幕のかかった地平線に満月が現れるのを待って鑑賞しよう。晴天なら、待つだけの価値がある(訳注:日本時間では翌日にほぼ同じ星景が見える)。

5月4日木曜日:明るい月とスピカ

今夜、ほぼ満月に近い月がスピカから約3度の位置にくる。スピカはおとめ座の最も明るい恒星で、地球から約250光年の位置にある。

5月5日金曜日:フラワームーンと半影月食

今夜月の出の時刻に東を見ると、夕暮れの空に美しい満月が昇るところが見える。それは日の入りの直後に起きるので、外へ出る価値がある。とりわけ地平線に現れるときの薄いオレンジ色が美しい。公式に満月になる瞬間は東部夏時間午後1時34分(日本時間6日午前2時34分)だ。

しかし、世界の一部、欧州の一部とアフリカ、アジア、オーストラリアのすべておよび太平洋の一部では、月の一部が地球に隠される。これは半影日食と呼ばれ、満月の「フラワームーン」が地球のぼんやりとした外側の影の中に数時間入るために起きる(訳注:日本では5月6日 未明から全国で半影月食が見られる。食の始まりは0時14分ごろ、食の最大は2時23分ごろ、終わりは4時32分ごろ)

5月5日金曜日、6日土曜日:みずがめ座イータ流星群

鮮やかな満月に少々邪魔されることになるが、深夜外に出ていれば、明るい流れ星を1つか2つ見るチャンスが十分ある。太陽系に残された、ほかでもないハレー彗星のちりとデブリによって起きるみずがめ座イータ流星群は、1時間に最大およそ30個の流星をもたらす。

しかし、この日は一晩中満月が明るく輝いているため、暗い夜空を探しに出るのに適したタイミングではない。満月の週、地球上のどこにもそんなものはない。それでも深夜0時頃庭に出て見れば、満月を眺めながら、流れ星の1つか2つを見ることができるかもしれない。

かんむり座

チャールズ国王が戴冠するこの週末「(北の)かんむり座」を探してみるよい機会だ。美しい星座だ。春の空高くに見えるかんむり座は、うしかい座とヘラクレス座の間に心地よく収まり、7つの恒星が半円形に並んでいる。見つけるには、北東の空の明るい星、ベガを探し、次にその上の高くにある赤い色のアークトゥルスを見つける。かんむり座は、2つの星の中間にある。

上記の日時は北半球中緯度に適用される。位置ごとの正確な情報については、StellariumやThe Sky Liveなどのオンラインプラネタリウムを参照してほしい。 住んでいる場所の、惑星の出/惑星の入り日の出/日の入り月の出/月の入りの時刻をチェックしておくことをお勧めする(訳注:気象庁のサイトはこちら)。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事