ヘルスケア

2023.04.24 13:30

米病院で新型コロナ集団感染、「脱マスク」3週間弱で再び着用義務化

ここ数週間、米医療施設ではマスク着用義務を全面解除するところが増えているが、これは4月20日に医療・科学の専門家の多くがツイッターの青い認証マークをいっぺんに失ったのとどこか似ている。医療施設というのは、具合が悪いとき(つまり病気かもしれないとき)に行く場所であり、そういうときは免疫力が低下している。免疫力が低い人が新型コロナウイルス感染症にかかるとどうなるだろうか。大丈夫なわけがない。結局のところ、一部の政治家がどう主張しようとも、新型コロナのパンデミックはまだ終わっていないのだ。そして、重症化しやすい人々を感染から守る方法に関する明確な国家計画もいまだ存在しない。

もちろん、医療施設におけるマスク着用義務を永遠に続けよと言っているわけではない。むしろ問題は、あいまいな指標に基づいて、明確な移行計画もないまま、あらゆる場所でマスクの使用を突然やめることである。SARS-CoV-2が今なおあちこちで空気中に漂っているのと同じように、まだ多くの疑問が宙に浮いたままだ。

たとえば、2019年以降に空気清浄設備を改善した施設や建物はどれくらいあるだろうか。マスク着用義務をいつ、どこで維持し、緩和し、再導入すべきか判断するための適切な監視・観察システムは整備されているのか。マスク着用義務を「今日はここ、明日はこっち」というやり方ではなく、もっと個別の必要に応じた方法で、より段階的かつ漸進的に緩和するほうが理にかなっているのではないか? 新型コロナのパンデミックに対するアプローチは「全か無か」かつ「画一的」になってしまっているが、着る毛布やドーナツ1箱の話ならともかく、公衆衛生対策ではそうはいかない。

また、アプローチが場当たり的になりすぎてもいる。新型コロナのパンデミックでは、感染者の急増や集団感染を防ぐというよりも、何か悪いことが起きるまで待ってから「まさかこんなことになるとは」「おっと、またやってしまった」と言い出し、感染者が出た後で急いで予防策を復活させるという対応があまりにも多い。

forbes.com 原文

編集=荻原藤緒

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