2023.04.23 11:00

何でそんな人気なの? 新PHEV仕様で注目のランボルギーニ

ランボルギーニ「レヴエルト」は同社初のPHEV

今年60周年を迎えるランボルギーニは、初期モデルから半世紀にわたってV12エンジンを搭載した純ガソリン車を製造してきた歴史がある。そして、今年、充電ポートを備えた初のランボルギーニ車を発表した。つまりV12のPHEVを搭載する「レヴエルト」。その名はもちろん、ランボルギーニの伝統的なネーミング手法に則って、闘牛の名前だ。
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でも、スペイン語で直訳すると「かき混ぜる」「混せ合わせる」「スクランブル」という意味で、面白いことに、スペインではスクランブルエッグもこの言葉で呼んでいる。そのため、ソーシャルメディア上では多くの議論や揶揄もあるが、世界を「かき回して」刺激するモデルにはふさわしそうだ。

「レヴエルト」は予想以上のヒットのようだ。「最初の年分は売り切れました」とランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン社長はいう。金融市場の世界的な混乱は、ランボルギーニのターゲットである富裕層の購入者には影響しないようだ。「この24カ月の間に起こったすべての出来事に対して、私たちの顧客の回復力は信じられないほどです。私たちのような車を購入するための注文が鈍ることはないでしょう」と述べた。


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では、この新しいエンジンはどうなっているのか。完全新開発の6.5リッターV12自然吸気エンジンの最高出力は825psで最大トルクは725Nmを発揮する。これに組み合わされるのが、前2機+後ろ1機の電気モーターと容量3.8kWhのリチウムイオンバッテリー、それに新開発の8段DCTだ。この組み合わせでシステム総出力はなんと1015psに達する。

昨年9月、製造中止になったV12搭載のアヴェンタドールが770psを発生したのに対して、この全く新しいV12とPHEVの組み合わせがどの程度パワフルなのかがわかる。

製造が終了したV12搭載のアヴェンタドール

製造が終了したV12搭載のアヴェンタドール


不思議なことに実は、このV12PHEVの「レヴエルト」を出したことで、ブランドのイメージアップに繋がったようだ。次世代のスーパーカーのルックスや走りはどうなるのか、そして今まで重要な売りのポイントだったV12の吠えるエキゾーストノートはどうなるのか。ランボルギーのデザイナーたちによって、デザインは一段と色気を出しており、同時に、そのPHEVのV12のエキゾーストノートは鳥肌が立つほどの絶妙な音質がある。しかもプラグインをつけることによってパフォーマンスは1000psを超えたのだ。また、優れたエアロダイナミクスとサスペンションで、安定感も備わっている。

近い将来はどうなるのか? こんなPHEVの「レヴエルト」はスーパーカーの性能、走り、エキゾーストノートなどすべての面でランボルギーニのクルマの質を向上させているけど、果たして、そのV12のPHEVがEVになって音がなくなる10年先にあの咆哮がどうなるか、それが気になってたまらない。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター ライオン

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