一個人が「敵を罰するためにルールを曲げる」ことこそ、テック業界がツイッターの未来を案じる大きな理由の1つである。
私が話を聞いたテック業界のリーダーの多くは、マスクが自分の偏見に基づいてルールを決め、昨年ツイッターを買収した際に約束した「言論の自由」のあるプラットフォームよりも利益を動機としている点について、非常に危険だと指摘している。
どのような理由でツイッターを利用しているにせよ、一個人がこれほどの権力を持ち、抑制と均衡が保たれていないというのは、大きな懸念材料になるはずだ。
実際、多くの人が代替サービスを探している。ツイッターに似たPlurk(プルク)、Mastodon(マストドン)、Micro.blog(マイクロ・ブログ)、そしてマスクが一時禁止したSubstack(サブスタック)の新機能Substack Notes(サブスタック・ノート)などだ。
マスクはPaypal(ペイパル)、Tesla(テスラ)、SpaceX(スペースX)で成功を収めてテクノロジー界の寵児となったが、ツイッターの買収をめぐっては、物議を醸す主張や運営手法がイメージ悪化につながっている。マスクがツイッターを完全に支配し、論争を招く決定を次々と下すことで、ツイッターは危機に瀕している。
マスクは近く新CEOを就任させると表明しているが、新体制がうまくいくためには、新CEOが自律性を持ち、マスクが現在の偏った役割から身を引く必要があるだろう。ツイッターはまた、公正でバランスの取れたプラットフォームを維持するチームを復活させなければならない。それが実現しない限り、現在マスクのリーダーシップに悩まされている私やテック業界の多くの人々は、ツイッターの未来を大いに疑問視するほかない。
(forbes.com 原文)