私たちはこの数週間、スターシップとその強力なブースターロケットであるスーパーヘビーの発射に、じわじわと近づいている。
4月9日日曜日、スペースXの創始者でチーフ・エンジニアのイーロン・マスクは「スターシップは打ち上げ準備完了 🚀 規制当局の承認を待つばかり」とツイッターにで述べた。
エンジン3基を積んだいくつかのプロトタイプのスターシップは、2020年と2021年に一連の高高度飛行を行ったが、スーパーヘビーのラプターエンジン33基がフルパワーを発揮した打ち上げはまだ見たことがない。
スペースXは、スーパーヘビーとスターシップが初の宇宙飛行に出るための準備を過去数年間続けているが、一方の連邦航空局(FAA)も、長期間の審査と認可のプロセスに2021年中頃から取り組み続けている。
その中には環境への影響調査や1万件以上のコメントが寄せられた公開プロセスも含まれている。この審査がスターシップの軌道デビューを年単位で遅らせたり、場合によってはすべてを頓挫させる可能性もあった。しかし昨年6月にFAAは、軌道へのテスト飛行を許可する意向を示し、ただし、75件の条件を満たす必要があると発表した。おそらくスペースXとFAAは関連機関とともに、この件について検討を続けているものと思われる。
マスクは、来週末までにはすべて決着がつき、打ち上げライセンスは発行されると思っているようだ。
「スターシップの打ち上げは4月第3週の終わりに向かって進んでいます」とマスクが4月10日早くにツイートした。
しかし、FAAの打ち上げライセンス発行が、今月中に打ち上げが行われるかどうかを決める最後のひと言にはならないかもしれない。
宇宙ジャーナリストのエリック・バーガーによると、打ち上げ許可が下りると同時に訴訟が起こされる可能性があるという噂があり、その結果、裁判官が打ち上げを延期させる差止命令を発行するかもしれないという。
環境団体と先住アメリカ人団体の連合が、スペースXの打ち上げ施設であるスターベースに隣接する公共ビーチへのアクセスが制限されていることに関して以前、提訴している。その訴訟は棄却されたが、上訴されている。
スターシップが打ち上げられた場合、カーマン・ラインを超えて軌道への短い旅を終えた後、地球に戻ってハワイ沖に着水する計画だ。
マスクは今回の飛行はテストであると注意深く警告してきた。スターシップの高高度飛行テストは、直近の1回を除き、着陸時に爆発を起こしており、スーパーヘビーとスターシップによる初の微小重力到達の試みでも、再び花火を見ることになる可能性はもちろんある。
スターシップの成功には多くのことがかかっている。NASAはこの宇宙船を来るべき月へのアルテミスミッションに使う計画であり、マスクはこの重量級ロケットで衛星を宇宙に運び、ゆくゆくは人間を火星に運ぶことを考えている。
(forbes.com 原文)