しかし、一部の新興宗教が社会問題化する中、昨今では宗教にネガティブなイメージを持つ人が多いことが分かってきた。
築地本願寺が、2月11日〜13日に全国の18~70歳の男女1600名に行った意識調査では、「最近、宗教への不信感が高まった」と答えた人の割合が全体の39.7%に。世代・性別で見ると、10代~40代の女性でその傾向が強く、いずれも5割前後に上ることが分かった。
宗教からイメージすることについて尋ねると、最多が「心の拠り所/精神的な支え」で10.4%。次いで「信仰/信仰心/信者」(6.8%)となる一方で、「マインドコントロール/洗脳」(4%)「怪しい/胡散臭い」(3.8%)「怖い/恐ろしい」(3.7%)「お金/お金がかかる/お布施」(3.5%)など、ネガティブな回答が続いた。
続いて宗教と仏教についてそれぞれの印象を聞いたところ、宗教より仏教を身近に感じている人の割合が高いことが判明(仏教27%、宗教10.2%)。しかし仏教については、「抵抗」だけでなく「関心」「魅力」「身近さ」のいずれも感じておらず、「あてはまるものはない」と回答した人の割合が半数近くを占めており、回答者との関わりが浅く、印象自体が薄いことが伺えた。
さらに、お寺に関する意識を尋ねると、 50代以下の男女の過半数が「行く目的がない」と回答。その割合は、10代~20代女性で73%に。他にも、お寺が「何をするところかわからない」と答えた人が、男女とも10代~30代で約4割〜5割を占めた。
築地本願寺の中尾史峰 宗務長は調査結果を受けて、
「若い世代のお寺離れは、私たちの努力不足でしかありません。言葉では『ご縁のない方へのアプローチをしよう』と言っていますが、まだまだ具体策が足りていないと反省しています」とコメント。
さらに今後の活動について、
「新型コロナ感染症が少しずつ収束し、リアルでの触れ合いが再開し始めています。今こそ私たち僧侶は、お寺にお越しになった皆様を『ようこそ!』と和やかな笑顔でお迎えし、直接お話しさせていただく中でお互いの温かさを感じる時期がきたのではないでしょうか。『人と人がふれあう場』というお寺本来の機能をもう一度見直し、一人でも多くの方々にご縁を結んでもらいたいと考えております」と意気込みを見せた。
プレスリリース