週4日勤務のメリットとデメリット
2021年に行われた人材紹介会社リードの調査によると、英国では8割以上の人が週4日勤務を希望していることが分かり、そのメリットは次の通りです。モラルの向上と欠勤の減少:週4日勤務制は、燃え尽き症候群の減少につながり、従業員はより幸せに、より自分の役割に集中できるようになります。
採用活動への貢献:既存の従業員や未来雇用する従業員に対し、柔軟な勤務形態を提供することは、優秀な人材を引き付つけ、維持することつながります。
一方、週4日勤務制にはいくつかのデメリットもあると、人材紹介会社は述べています。
すべての業種に適しているとは限らない:業界によっては、週7日勤務が必要なところもあり、その場合、週4日勤務は現実的でない可能性があります。例えば、救急サービス、公共交通機関、ロジスティクスなどです。
すべての労働者に適しているとは限らない:週5日勤務制を好む従業員もいれば、残業が好きな従業員もいます。
コスト増になる可能性がある:医療など一部の分野では、スタッフが長時間のシフト勤務を余儀なくされることがあります。このような分野の企業では、人員不足を補うために残業代を多く支払ったり、スタッフを召集したりする必要が生じるかもしれません。
世界各地の週4日勤務の実験風景
ベルギー:ベルギーの従業員は、給与を減らされることなく、フルタイム勤務を週4日間で行う権利を得ました。人々は、週に4日働くか5日働くかを、個人の希望に沿って決めることができるようになります。ニュージーランド:消費財大手ユニリーバは、ニュージーランドで18カ月間実施した試験的な取り組みで良い結果が得られたことを受け、オーストラリアでの事業にも週4日勤務制のトライアルを拡大することを発表しました。「ニュージーランドにおけるトライアルでは、収益の伸びをはじめとすた事業目標に対する良好な結果が得られ、大多数の従業員が仕事にしっかり取り組めていると感じ、欠勤率は34%減少したと報告しています」と、同社は述べています。
アイスランド:2015年から2019年にかけて、アイスランドでは週4日勤務のトライアルが実施されました。参加した2500人の労働者が、健康状態やワークライフバランスの面で幸福度が向上したことが分かりました。
より凝縮された週4日勤務制への願望は、米国でも強いようです。2019年に、調査会社ユーガブ・アメリカが実施した36000人のアメリカ人を対象とした世論調査では、回答者の3分の2が、一日の労働時間が長くなったとしても、週4日勤務を希望していることがわかりました。