食&酒

2023.03.28 08:00

欧州市場のハチミツの半分は偽物、EUの調査で明らかに

OLAFによると、現在までに「EU内の44の事業者に調査が入り、7事業者が罰せられた」という。フランスで抽出された21のサンプルのうち「本物のハチミツ」だったのは4つだけで、欧州の輸入品の3分の1が集中するドイツでは、分析した32サンプルのうち半分が純正でなかったという。

他の添加物や着色料も

調査結果はまた、シュガーシロップ以外の添加物や着色料、トレーサビリティ情報の改ざんなどについて警告している。OLAFによると「ハチミツにはもともと糖分が含まれており、EUの法律では純粋でなければならない。水や量を増やすための安価なシュガーシロップが入っていてはならない」という。

OLAFのビッレ・イタラ局長は「原産地を偽って表示する例も見受けられた」などと述べ「不正な行為や慣行は消費者を欺くものであり、不当な競争で誠実な生産者が不利になる」と指摘した。

複数年にわたる不正行為

フードウォッチは、これほど多くの純正でないハチミツが消費者の手に渡ったという事実は当局の検査体制の弱さを示していると主張している。

同団体のイングリッド・クラグルは「欧州の消費者は何年もの間、スーパーで偽のハチミツを知らずに買っていた」「国の検査機関だけでなく民間の検査機関も調査手段が不十分であるため、不正を発見することができなかった」と指摘した。

欧州と米国が主要バイヤー

世界で生産されるハチミツの主な買い手は欧州と米国だ。

EUの養蜂家は約61万2000人で、1800万個の巣箱がある。蜜蝋、花粉、ロイヤルゼリー、プロポリスに加え、年間約28万トンのハチミツを生産している。

EUの専門家は不純なハチミツが人体に危険を及ぼすとは考えていないが、安価なものはミツバチからの黄金の贈り物の純度を定める規則に従っている農家にとって不公平な競争を生み出している。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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