「子どもたちがわくわくする体験に取り組み、人と人とのつながりを通して豊かな未来を育む教室」とテーマを掲げ、学校や普段の生活ではなかなか触れる機会のない「本物」を提供することにしたのだそうだ。
そこには、本物に触れ、わくわくする体験を通して笑顔になることで、それぞれ気付きを得ることに繋げてほしいという願いが込められている。
子どもたちの「わくわく」が未来を作る
実際に本物に触れるという体験は、どのような効果をもたらすのだろうか? それは教室に参加した子どもたちの反応や笑顔を見れば一目瞭然だ。「ある小学校の体育館で教室を開催したときのことです。福島千里さんが助走をつけずにジャンプしてステージに飛び乗ったんですが、子どもたちは興味津々でした。僕たち大人が見てもびっくりするような一流アスリートならではの動きをどんどん見せていただいて、子どもたちの表情が輝き笑顔になっていくのは素晴らしいなと思います」(甘原さん)
子どもたちは、セイコーが用意したオリンピックなどの世界大会で使用される機材を使って短距離のタイムを測定。その後、福島さんのアドバイスを受けて再度測定して、走りが速くなったことを実感する。こうした本物に触れる貴重な体験は、教室を終えた後にも影響があるのだそうだ。
「わくわく教室の後のアンケートや手紙に、本物の体験をしたことで自分の未来に対する考え方が変わったと書いてくれるお子さんが多いんです。
教えてくれた福島さんや山縣選手もかつては自分たちと同じ小学生だった。でも、そこから頑張って努力を重ねたら、オリンピアンのような世界で活躍する人になったことを知って、夢を描くことって素敵だなとか、そのために頑張りたいなっていう思いを抱いてもらえていることを実感します。
私たちが地道な活動を続けることによって、子どもたちの未来への行動や思い、夢が変わっていく。そういった子どもたち一人ひとりの行動が変わることで、未来全体が変わっていくんじゃないかな、というのをすごく感じています」(安井さん)