働き方

2023.03.22

「仕事より家族」、子どものためのキャリアダウンを受け入れられるか

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仕事か子どもかという選択は、これまで女性に丸ごと押し付けられてきた問題ですが、20代から30代の若い世代の間では、子どものためにキャリアダウンしてもいいと考える男性が増えているようです。

結婚相談や結婚式のプロデュースなどのサービスを展開するタメニーは、20〜39歳の未婚の男女2400人を対象に「結婚後の不安」に関するアンケートを行いました。そのうち、結婚を希望する1969人に子育ての不安があるかを尋ねると、女性は69.8パーセント、男性は58.1パーセントが不安だと答えています。

また結婚後の家計の不安については、女性の73.4パーセント、男性の62.4パーセントが不安だと感じています。物価は上がるが給料はなかなか上がらない今の時代、経済的な不安は当然のことでしょう。家計が不安でないという人は、女性ではわずか1割です。

こうした現実を受けて、結婚を望まない人も増えています。内閣府の調査では、生涯未婚率は、日本経済の失われた30年と歩調を合わせるように1990年ごろから急激に増加し、2020年では男性で28.3パーセント、女性で17.8パーセント、男性の3.5人に1人は結婚していないことになります。それが望みならいいのですが、結婚したくても経済的な理由で断念せざるを得ないのでは悲しすぎます。

しかしそんな中で、子育てのためにキャリアダウンを選択する人も増えています。子どものためにキャリアダウンすると思う、迷いはあるがすると思うという人を合わせて、女性では61.9パーセント、男性では44.6パーセント、平均してほぼ半数の人がキャリアダウンの選択を考えています。

キャリアダウンとは、この場合は給与が下がっても時間的に余裕が持てる職種や職場に移ることを指していると思われます。また、出産や子育てに手厚い自治体で生活したいかとの問には、6割近い女性がそう感じると答えてます。キャリアダウンを受け入れるなら、移住もアリでしょう。

結婚を望む若者の半数が、仕事よりも家族を優先させたいと考えていることが、この調査からわかりました。仕事に縛られず、身軽に生きていく道を選択できる人たちなのかも知れません。そうした人たちが増えれば、なんだか、ちょっといい世の中になりそうな気配がします。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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