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2023.03.20

世界最難関大の学生たちを惹き付ける日系スタートアップ、I'mbesideyouとは

個性重視の時代と言われて久しいが、私達は果たして個性をどのように活かしているのだろうか?もしかしたら、決められた時間に決められた席に座り決められたルーティンをこなすだけの毎日をただただ送っていないだろうか?そんな問いかけに対して、AIを使ったコミュニケーションサポートをするスタートアップが、今注目を集めている。「AIを幼馴染みのように使いこなす」というユニークかつ熱いポリシーを掲げる「I'mbesideyou」がもたらす未来には、果たしてどんな世界が待っているのか?

教育、商談、1on1、メンタルケアまでを、AIでサポート

2020年6月に創業した「I'mbesideyou」は、オンライン上の1人1人をAIで見える化し、その人物をより深く理解するサポート業務を行なう会社。人間の表情や顔の向きから視線や音声といった状態を基に、AI統合解析によって、有効と判断したコミュニケーションをサポートする。例えば、過去に成績が著しく上がった授業の特徴を解析し、別の生徒の成績向上に繋げるオンライン教育で使われている。

また、日々のMTGや1to1を解析&共有する事で、組織の中のブラックボックスや依存症的な人に対しての問題解決に導くサポートも行える。さらに、過去の商談動画から、受注に共通する傾向をAIで発見し、日々の商談解析結果を上司と部下が共有する事で、営業効率を高める事も出来る。

「I'mbesideyou」が手掛ける領域は、教育やビジネス面のサポートだけでなく、人間の表情や声色などの変化をキャッチする事で、対象者のメンタル状態をも理解し、適切な励ましや、場合によっては第三者へのアラート送信まで行う、メンタルヘルス面も網羅している。そんな機能が評価されて、クライアントには、ベネッセ、NTTDATA、アストラゼネカなど、日本を代表する企業がエントリーしている事からも、その実力が伺える。

日本企業初!2年連続「世界TOP100社」に選出された実力は、いかに?

創業わずか3年で、サウジアラビア最大のアントレプレナーが凌ぎを削る「Entrepreneurship World Cup」において、日本企業として初めて2年連続で「世界TOP100社」に選出され、今年は「世界TOP40社」にも選出された。今年元旦の日経新聞では、「今年注目のスタートアップ」に掲載されるなど、各界からも注目を集めている「I'mbesideyou」。

代表取締役社長を務める神谷渉三は、「1人1人に寄り添う幼馴染みのようなAIを提供したいと考えています。起業のきっかけは、生き生きと楽しそうに毎日過ごしていた息子が、小学校に入学した途端に元気を無くしてしまった出来事からでした。決められた時間に決められた席に座って皆で授業を受ける小学校生活。息子は、なぜそういう環境に自分が身を置く事になったのかと理解に苦しんでいました。私は、『それが普通のシステムなんだよ』とは、息子に伝えられませんでした」。
(I'mbesideyou 代表取締役社長 神谷渉三氏)

(I'mbesideyou 代表取締役社長 神谷渉三氏)


そこで心機一転。それまで勤めていたNTTDATAを退社し「I'mbesideyou」を立ち上げたという。「世の中のモノサシをテストの点数なんかじゃなく、1人1人の個性にフィットしたものに変えたい!という強い想いが、会社創設のきっかけになりました」

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文=中村麻美

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