国内

2023.03.23

新ペットフードに会員15万人 飼い主も犬も夢中になる理由

バイオフィリア代表の岩橋洸太(撮影=曽川拓哉)

亡くした愛犬への後悔から起業

岩橋が「ペットの手作りごはん」に着目したきっかけは、愛犬との別れだった。
 
「2匹とも病死でした。『もっとごはんに気を遣ってあげていたら、長く生きられたかもしれない』と考えるうちに、『2匹の死は自分のせいじゃないかな?』と考えるようになりました。
 
そこで気付いたのは、ペットロスというのは、亡くしたことそのものより『何かをしてあげられなかったことに対する後悔』が大きいのではないか、と思ったんです。
 
動物と共に生きている人たちが、私と同じような思いをしてほしくないと思い、健康に良いごはんを品質面から考えていきました。今では、『食を大切にしなければいけない』ということを、亡くした愛犬たちが人生をかけて教えてくれたんだと思っています」
 
創業当初は、自分と同じように「うちの子に長生きしてもらいたい」と願うユーザーが集まると予想していた。ところが、実際には食に悩みを抱えるユーザーが半数を超え、感謝の連絡が毎日のように来たと岩橋は語る。

実際にこんなメールが届いたという。
 
“愛犬が病気になった時、獣医指定の病気療養食を全く食べてくれませんでした。それがココグルメをあげたら一瞬でたいらげてしまった。今では散歩に出かけると、走り回るまでになりました。余命1〜2カ月と言われていましたが、半年後の今も元気に生きているのはココグルメのおかげです”
 
また、岩橋の使命感をより強固なものにする、こんな出来事もあった。それは、コロナ禍で職を失ってしまったココグルメ会員から届いたメールで、経済的理由から「数量を減らせないか」という問い合わせだった。
 
 「解約ではなく、数量を減らしてでも続けてくれるということにとても責任を感じたんです。何があっても絶対にサービスを継続させなければいけないと、使命感を改めて強く抱きました」


 
今後はレシピのバリエーションを増やしていきながら、海外展開も視野にいれているバイオフィリア。岩橋は「国境を超えて、幸せな飼い主と愛犬、愛猫の一生をサポートしたい」と締めくくった。

取材・編集=露原直人 文=小野瀬わかな 撮影=曽川拓哉

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