国内

2023.03.23

新ペットフードに会員15万人 飼い主も犬も夢中になる理由

バイオフィリア代表の岩橋洸太(撮影=曽川拓哉)

「ジビエ」という新たな選択肢

ココグルメは、2月から国産鹿肉を使用した「ジビエ-鹿肉-&ビーツ」を発売している。これもフレッシュフードで、なおかつ、主食としての栄養素を満たした総合栄養食基準のごはんだ。
 
高タンパク低脂質な鹿肉は、「ダイエットに良い」「アレルギー反応が出にくい」「食いつきが良い」といったメリットが多い。1万5000袋が即日完売し、追加で1万袋も完売するほどの人気だという。
 

左から、ポーク&ブロッコリー、チキン&ベジタブル、フィッシュ&パンプキン、ジビエ&ビーツ

ジビエは、おいしく、栄養価が優れているにも関わらず、大半が廃棄されてしまっており、流通している鹿肉はわずか10%だそうだ。こうした課題解決のため、フードロス削減や資源の有効活用といったSDGsの観点から、ココグルメはジビエを使ったフード開発に踏み切った。

「命と資源を無駄にしないために開発したご飯ではありますが、一番は飼い主さんとワンちゃんに食事を楽しんで欲しいという想いが強い」と岩橋。
 
「僕たちだってラーメンが好きだとしても、毎日3食だと『今日はさすがにお米が食べたい』ってなるじゃないですか(笑)。ワンちゃんも同じだと思うので、食の楽しさを味わってもらうためにレシピを増やしていきたいと思っています」

顧客と一緒に悩むカスタマーサクセス

このジビエを活用した新レシピは、顧客との共同開発なのだという。会員を対象に行ったアンケートでは、ジビエが最も人気の食材だったそうだ。
 
「『ごはん開発部』という、お客様とのコミュニティがあるんです。レシピ内容の検討だけでなく、試作品の開発段階からオンライン・オフライン試食会などに参加してもらい、約半年の試行錯誤を経て完成しました」
 
ココグルメの特徴のひとつに、こうした顧客との距離感の近さが挙げられる。
そして、それを支えるのが「カスタマーサクセス(CS)」だ。

何よりユーザーの信頼獲得につながっているのはレスポンスの早さ。1日約200件の問い合わせに平均2分以内に返答する。飼い主の心配や悩みに寄り添った対応が心がけられ、深い関係性を築いているため、特定のスタッフを指名する顧客も多いという。
 
「社員の多くが動物と一緒に暮らしていて、ユーザーの一人なんです。だから、飼い主の方の想いがよく分かるんですよね。犬友のように話が盛り上がったり、食に課題がある子の相談は、解決してあげたくて一緒に悩んだり。

動物を愛する者同士、想いは同じで、お客さんが嬉しかったら私たちも嬉しいし、お客さんが悲しかったら私たちも悲しい。だから自然と距離が縮まっているのではと思っています」
次ページ > 使命感を強固にした、感謝のメール

取材・編集=露原直人 文=小野瀬わかな 撮影=曽川拓哉

タグ:

連載

人とペットのウェルビーイング

ForbesBrandVoice

人気記事