宇宙

2023.03.08

木星の衛星、新たに12個発見 計92個に

木星とその衛星を描いた想像図(Getty Images)

木星の衛星が新たに12個見つかった。正式に確認された木星の衛星はこれで92個となり、83個の衛星を持つ土星を9個上回った。

APの報道によると、新たな衛星は国際天文学連合の小惑星センターに正式登録された。

新しい衛星はすべて直径わずか1~3kmで、母惑星から遠く離れた「外衛星(outer moon)」だ。Sky & Telescope誌によれば、公転周期はいずれも340日以上で、550日を超えるものもある。

新たな衛星は、米首都ワシントンのカーネギー研究所地球・惑星研究室の研究者、スコット・シェパード博士が、2021年と2022年にハワイとチリの望遠鏡を使用して発見した。うち9個は、内衛星と「反対方向」に周回しており、木星の重力に捕らえられていることを示している。

木星の衛星で有名なのは、天文学者ガリレオ・ガリレイが発見したことから「ガリレオ衛星」と呼ばれるガニメデ、エウロパ、カリスト、イオの4個だ。軌道は木星にかなり近く、中程度の性能の双眼鏡(10x50が理想的)か小型の望遠鏡があれば観測できる。

米航空宇宙局(NASA)の探査機「Juno(ジュノ)」は2016年から木星を周回している。今年4月には、欧州宇宙機関(ESO)の木星氷衛星探査計画(JUICE)の探査機が打ち上げられる予定だ。

JUICE探査機は2031年7月に木星系に到達し、エウロパ、カリストを接近通過した後に太陽系最大の衛星であるガニメデの軌道に進入する。ガニメデは磁場を持つことが知られている唯一の衛星で、サイズは水星や冥王星よりも大きい。JUICEは、地球以外の惑星系の衛星を周回する初の宇宙探査機となる。

一方、NASAの探査機「エウロパ・クリッパー」は、50回にわたりエウロパを接近通過する計画で、地表との距離は最短で26kmとなる。打ち上げ予定はJUICE より遅い2024年10月だが、経路がより直線的なため、2030年4月に木星系に到達する。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫・編集=遠藤宗生

ForbesBrandVoice

人気記事