米FDA、イーロン・マスクの「脳デバイス」の人体実験を却下

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米国食品医薬品局(FDA)は、イーロン・マスクが設立した人間の脳とコンピュータを接続するデバイスのスタートアップ「ニューラリンク(Neuralink)」による、人体実験開始の申し出を却下した。ロイターが3月2日に報じた。

マスクは同社の脳インプラントが、自身や子どもの脳に挿入できるほど安全だと主張しているが、FDAによる拒絶は、物議を醸すスタートアップにとって大きな痛手となった。

ロイターの取材に応じたニューラリンクの現・元社員ら7人によると、FDAは同社の申し出を2022年初めに拒否していたという。これは、マスクが昨年11月に「早ければ2023年5月に人体実験を開始する」と発言したことを考えると驚くべき事実だ。

ニューラリンクは昨年、3月7日までにFDAの承認を獲得すると宣言したが、この目標の達成はほぼ絶望的になった。ロイターは、関係者の話として、当局の反発を考えると今後も承認が得られるかどうかは不透明だと報じている。

フォーブスは、マスク、ニューラリンク社、FDAにコメントを求めたが現時点で回答は得られていない。

ニューラリンクは、Bluetooth対応の脳インプラントを通じて神経や身体に障害を持つ人々を支援しようとしているが、先日は動物実験を通じて1500匹のサルを含む動物を死亡させたとして批判された。スタートアップのデータベースCrunchbaseによると、2016年にマスクが設立した同社は、創業以来3億6300万ドル(約496億円)を調達している。

同社の投資家には、マスクのほか、グーグルの投資部門のGV、コインベース共同創業者のフレッド・エールサム、OpenAIのCEOのサム・アルトマンなどが名を連ねている。

フォーブスの最新の推計によると、マスクの保有資産は1850億ドルで、その大半はテスラの株式だ。

テスラの株価は、1日に開催された同社の投資家向けイベントにおけるマスクの説明が具体性に乏しく、投資家を失望させたことによって2日に約6%急落した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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