参加者の中でカップルが誕生するというのは想定外でしたね。1000人以上の人が起業したい、ここで人生を変えたいと思ってNontitleに応募をし、6人に選ばれたんだから、とにかく事業作りに打ち込むんじゃないかと思っていました。でも蓋を開けてみたらそうではなかった。「俺だったらちゃんと仕事するのにな」と思いましたよ(笑)
でもこれがリアリティショーならではだし、YouTubeを視聴するマスの人たちに起業を自分ごと化してもらうために必要なことでした。
ヒントになったのは、Netflixで過去に放送されていた韓国ドラマ「スタートアップ 夢の扉」です。あの作品って、恋愛ドラマなんですよね。
本来、起業には複雑に絡み合うハードシングスがたくさん起きて、それらを作品に組み込むと、起業家やビジネスエリートは「わかるわかる」と言って喜ぶんです。でもそれ以外の人にはとっつきづらいものになる。なので、恋愛要素を交えて、起業というものをやわらかく噛み砕いていくやり方は勉強になりました。
全員を勝ちにしない“クビルール”を導入
──次のシーズンで変わることは?定期的に一部の人間をクビにするルールを採用したことです。実はシーズン1には、僕らにとって大きな反省があって。男女6人をチームブルーとチームレッドに分けて競わせるのですが、視聴者からすると、“全員勝ち”だったんですよね。
負けたチームのメンバーも、事業は作れなかったけれどYouTuberになったり、SNSのフォロワーが増えたり。勝者には最大の賛美があって、敗者には残酷な未来が待っているという形にしないと、コンテンツとしての振れ幅が小さくなるなと。そこで、メンバー同士で脱落者を決めるという要素を入れました。
また、シリーズ1では、こうなって欲しい、とある程度シナリオを用意していた部分があったんです。しかし、今YouTubeでは、作り込まれたものよりリアルなものが望まれているというトレンドがあります。
だからシリーズ2では、大した準備をせず、出たとこ勝負にしようと思っています。いきなり新ルールを追加するなど、朝令暮改もありにしました。我々製作側も困るような想定外が、視聴者にも面白がってもらえるんじゃないかな。例えば、全員いなくなっちゃうとかね(笑)。
シーズン1より刺激的なメンバーを揃えたので、彼らの人間模様を楽しんでもらえればと思います。