研究は、20代から60代の健常な男女13人を対象に行われています。食後にガムを2粒、20分間噛んでもらい、ガムをかみ始めてから4時間のエネルギー消費量、糖質の代謝量を示す糖質酸化量、食事で吸収された栄養素が体熱として消費される量を示す食事誘発性体熱産生の平均値を計測しました。比較のために、ガムと同じ栄養成分のタブレット2粒を摂取した場合も同様の計測を行っています。
その結果、タブレットと比較して、食後4時間平均のエネルギー消費量、糖質酸化量、食事誘発性体熱産生ともに明らかな増加が見られました。研究を担当した早稲田大学スポーツ科学学術院の宮下政司教授は、ガムの咀嚼により食事誘発性体熱産生として摂取した糖質が効率的に代謝され、エネルギー消費量の増大につながった可能性があると話しています。
食事1回あたりの消費増加量は19.2キロカロリー。体重60キログラムの人が3分間ほど軽いランニングする程度の消費量です。白米ならおよそ10グラム。微妙ですね。しかもガムにもカロリーがあります。たとえばロッテのキシリトールガム「ライムミント」は2粒で約5.6キロカロリーです。
とは言え、宮下教授によれば、1日3食噛めば1年間に累積で2万1024キロカロリーとなり、約3キログラムの体重増加抑制効果になるとのこと。しかも「噛む」ことは、血糖値の上昇を抑えたり、健康寿命を延ばしたりと、何かと体によいことがあると言われています。さらに、ガムを噛むと頭皮の血流が増加して、薄毛や抜け毛の予防になるというロッテの研究報告もあります。食後のガム、試してみる価値は大いにあります。
プレスリリース