生活、仕事への落とし込みも可能
できるギャレー担当CAのスキルは、仕事や日常生活でも応用することができます。例えば、仕事では相手から質問がきそうなことを先に用意しておく、「これが終わったらどうすれば良いですか?」と聞かれる前に、「1が終わったら2と3をやって、相手からこう聞かれたらこう返して」など先回りして伝えることで、自分の仕事を中断させられることが少なくなります。
モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスの元トップセールスマン宮本剛獅さんの著書「1%の超一流が実践している仕事のシン哲学」でも、メールのやり取りによる無駄な時間を削減するために、後の展開を予測して明確な指示を出すことが大切と書かれていましたが、できるギャレー担当CAのスキルと繋がるものがあると思いました。
「ギャレー」≒「自分にとっての不可侵領域」!
また、筆者は2歳と6歳の男児を子育て中なのですが、家庭でもこのスキルは活かすことができます。朝の準備で私が一番ストレスを感じるポイントが、「これやって!」「あれはどこ?」と自分の作業を中断させられることでした。新人CAのように多すぎるタスクに追われて客観視できていなかったのですが、冷静に考えるといつも頼まれるのは同じようなことだということに気付きました。
朝はまず自分の身支度を整えてから朝食を準備して、子供の準備を手伝って、という流れだったのですが、いつも中断されるポイントを先回りして準備してから(我が家の場合、着替えセットは定位置にセットしておく、フルーツやヨーグルトなどデザートは子供の手の届くところに置いておく、歯ブラシセットは次男がいたずらしないように長男だけ届く場所にセットする、水筒は手の届くところに置いておく、などどれも細かいことばかりですが)、中断されることが少なくなり、スムーズに自分の身支度を進められるようになりました。
子供たちも、自分で進められることが増えた気がします。
「ギャレー」≒「自分にとっての不可侵領域」と考えれば、仕事や家庭など様々なシーンに応用することができます。
ぜひストレスを感じるポイントがあれば、このスキルが応用できないか見直してみてくださいね。
清水裕美子◎日本航空(JAL)の客室乗務員として国際線ビジネスクラス、ファーストクラスなどを含め約5年乗務する。退職後はCA流美容コンサルタントとしてセミナー、メディアなどで活動するほか、日本初のCAが発信する総合情報サイト「CA Media」を主宰。また、CAと足のスペシャリストがタッグを組んだ、足から始めるトータルウェルネスブランド「Feel The Feet」のプロデュースも行う。著書に『ファーストクラスCAの心をつかんだ マナーを超えた「気くばり」』(青春出版社、2020年7月刊)など。