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2023.02.13

10年後を垣間見る、スクラムベンチャーズが注目する実現しつつある新技術

Scrum Ventures創業者兼ジェネラルパートナーの宮田拓弥氏

さまざまな新サービスに通底するAI

ソフトウェア/AIは今後、誕生するほぼすべてのテーマに通底するものだ。特にAIの進化は現在、すさまじい勢いでスマホなどで採用されている顔認証などあっという間に広まったように、OpenAIのChatGPTなど今後も話題となり、AIを活用したさまざまなサービスが生まれてくるだろう。

CompScienceは、倉庫や工場などの労働環境における安全監視プラットフォームだ。AIとデータを活用して予測分析とリアルタイム監視を行い、労働災害を未然に防ぐことができる。保険会社などが興味を持っている。BobidiはAIの精度を高めるためのサービスを開発している。AIのバグ検証のために必要な音声データや画像データをアプリを介して一般ユーザーに提供し、ユーザーはお小遣い稼ぎすることができ、AIを開発している企業は、適切なデータを収集が可能となる。

新型コロナで勢いが増した新技術たち

ウェルビーングへの関心の高まり、リモートワークの普及で働き方が柔軟になったことで、ヘルスケアの分野でもさまざまなスタートアップ、サービスが生まれている。外出や人に会うことが難しくなった新型コロナウイルスのパンデミック時、遠隔治療への関心も高まった。

BiPSEEはVRを活用した精神疾患向けのデジタル療法を開発、日本のヘッジホッグは頭痛治療用アプリを開発している。

小売もまた新型コロナの蔓延で進化を促された。新たな技術と組み合わせたメタバース内の店舗や顧客へのパーソナライズなどの技術が高まったなか、無人店舗用システムのZippinが紹介された。レジなし店舗ソリューションを提供する同社は米国スポーツスタジアム、空港などですでに90店舗以上で導入されており、実際に売上が2倍になった事例もあるという。

スポーツエンタメも新型コロナの影響を受けたジャンルであるが、それ以前より新たな楽しみ方が模索されており先に開催されたFIFAワールドカップカタール2022での三苫選手のプレーで話題になったVARなどもその1つとなる。

Arcturusはスポーツや音楽ライブなどのエンタテインメント領域で3D動画制作のために活用されているボリュメトリックビデオ技術を開発している。現在のところほぼ遅延なく、3D動画を作成することが可能で、放送などで見ることができなかった角度からプレーをチェックすることなどができるようになる。
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文=安井克至

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