VC

2023.02.13 11:45

10年後を垣間見る、スクラムベンチャーズが注目する実現しつつある新技術

本当に石油化学製品を100%使用しないサスティナブルな素材

より深刻な問題となっている気候変動、脱炭素はすべての人にとって大きな課題となっている。空気中に存在する過剰な二酸化炭素を捕まえるCCUSといった技術た再生可能エネルギー、代替タンパク質などすでにさまざま企業がこの課題に取り組んでいる。

Natural Fiber Weldingはその中でも特に注目を集める企業で、石油化学製品を100%使用しない、サスティナブルで高機能な素材、生地を生産している。植物や鉱物など自然界に存在する素材のみを使用し人工皮革などを作り出している。もちろんその生産過程でも石油などをせず、製品はすべて土に還る。すでにラルフローレンやNew Balance(ニューバランス)、BMWといった企業が同社の製品を採用し実際に商品も販売されている

人工皮革だけでなくゴムも天然由来の素材のみを使用。鉱物で色を再現しているという

人工皮革だけでなくゴムも天然由来の素材のみを使用。鉱物で色を再現しているという

3つのバースがフロンティアに

イーロン・マスク氏が率いるSpaceXをはじめ、宇宙へ挑戦しビジネスを展開する民間企業が増えている。この宇宙に関するスタートアップも今後、注目される領域となる。

スクラムベンチャーズでは、今後10年の間で「メタバース」「グリーンバース」「マルチバース」がくると、注目している。メタバースはすでに話題になっているとおり、特に医療×メタバースの「結びつくことで新しい価値を生み出す」だろうと同社は考えている。

グリーンバースはスクラムベンチャーズが定義するもので、地球の「グリーン」にかけた言葉で、脱炭素などを指す。マルチバースは宇宙を視野に入れた取り組みのことを指している。上記のSpaceXなどとなる。

デジタルが急激に進化し、さまざま変化が一機に起こったが、その一方で、地球は急激に壊れかけている。今後10年というスパンで考えると、これら3つの「バース」はこれからのフロンティアになると宮田氏は考えているという。

また、イベントでは内閣府大臣政務官の鈴木英敬氏も来場し、岸田政権によるスタートアップ支援なども行った。

会場には上記のスタートアップや郵便物をEメールのように管理できるクラウド郵便サービスであるatenaや自由度が高くより豊かな表現ができるオンライン会議や動画用ソリューションのmmhmm、食事を見た目そのままに柔らかくする調理家電デリソフターの開発するGIFMO、リアルタイムモーションプランニング技術を開発するRealtime Robotics、自動運転シャトル開発するMay Mobility、ラーメンなどの自動調理販売機を提供するYo-Kai Expressなどのブースも展示。

さらに「新たなスポーツビジネスの形、テクノロジーで変わる未来のスポーツ体験」「日本企業 x スタートアップ:オープンイノベーションの現場から」と題したテクノロジー、スタートアップに関するパネルディスカッションも行われた。

文=安井克至

ForbesBrandVoice

人気記事