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2023.02.07 19:30

中国バイドゥがChatGPTに似たチャットボット「Ernie Bot」を発表

ロビン・リー(李彦宏)、2021年7月8日(Getty Images)

ロビン・リー(李彦宏)、2021年7月8日(Getty Images)

中国のビリオネアのロビン・リー(李彦宏)が率いる検索大手「Baidu(バイドゥ、百度)」は2月6日、ChatGPTに類似したサービスの立ち上げを発表した。これを受け、香港市場に上場する同社の株価は6日の正午時点で14%以上の急騰となった。

北京に拠点を置く同社はプレスリリースで、人工知能(AI)ベースの独自のチャットボットを「Ernie Bot(アーニーボット)」と名づけ、社内でのテストを終えた後の3月に正式にサービスを立ち上げると発表した。

バイドゥは、ここ数年で数十億ドル(数千億円)を投じて追加の収益源になり得るAIテクノロジーの研究を進めており、今回のチャットボットの開発は、2022年9月に始まったと報じられている。

バイドゥの担当者は、同社がアーニーボットを有料で提供するかどうかについてのコメントを避けた。ChatGPTの開発元のOpenAI(オープンAI)は先週、米国で月額20ドル(約2600円)のプレミアム版「ChatGPT Plus」の立ち上げを宣言したばかりだ。

この有料版は、ピーク時のアクセスや問い合わせへの迅速な対応などを提供するという。ChatGPTは昨年11月にリリースされ、数日で約100万人のユーザーを集めていた。

一方、ここ最近で株価を急上昇させた中国のAI関連企業はバイドゥだけではない。先週は、上海市場に上場している「Beijing Deep Glint Technology」と、深圳市場に上場している「Hanwang Technology」の2社が、中国独自のChatGPTへの投資家の注目が高まる中で、株価を急騰させた。バイドゥが同様のチャットボットを開発しているというニュースは、先週から報じられていた。

中国の人々は、インスタグラムに類似した「小紅書(RED)」と呼ばれるアプリや、短編動画プラットフォームの「抖音(Douyin)」など、近年ますます多様なソースから情報にアクセスするようになっており、検索エンジン事業者にとってAIの商業化は緊急性を帯びている。

ビリオネアのリーは、検索ビジネスの注目度の低下を補うために会社の未来をAIに託し、自動運転やクラウドコンピューティング、半導体チップなどの分野に乗り出そうとしている。バイドゥの9月期の売上高は予想を上回る325億元(約6300億円)だったが、オンラインマーケティングからの売上高がまだ全体の半分以上を占めている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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