ネットフリックスは1月19日の2022年第4四半期(10-12月)の決算発表のタイミングで、3月末から「ペイド・シェアリング・コスト(有料共有コスト)」と呼ばれる施策を開始すると発表した。
同社は昨年夏からラテンアメリカでパスワードの有料共有のテストを行っており、一部の国のFAQページには、少額の追加料金を払えばアカウントにメンバーを追加できる旨が記載されている。
ネットフリックスは、サービスの利用を1世帯に限定しており、IPアドレスとデバイスIDに基づいて自宅などのサービスの主要な利用場所を特定している。また、旅行中や別の場所からの視聴に関してはアカウントの所有者にコードを送信して、デバイスの確認という手順をとる場合がある。
同社は、今のところ、米国ベースのユーザーに対するポリシーをまだ確定していないが、2023年の第1四半期以降にこの施策を導入するとしている。
ネットフリックスの新ルールは、数年前のメッセージとはまったく異なるものだ。同社は2017年3月に「Love is sharing a password.(愛とはパスワードを共有すること)」とツイートしていた。
2022年に加入者間のパスワード共有に終止符を打つ見込みであることをネットフリックスは発表しているが、それまでは長年この行為に目をつぶっていた。パスワード共有の禁止は、2022年に加入者数の減少に見舞われた同社に追加の収益をもたらす可能性がある。
同社の新ルールの導入を受けて、競合他社はまだ新しいアクションを起こしていない。HBO Maxは以前から、ユーザーがどのようにサービスを利用しているかを毎月チェックしており、柔軟性を確保しつつも「行き過ぎたアカウント共有」にフラグを立てている。
米国のHuluはパスワード共有を制限していないが、複数デバイスでの同時視聴を制限しており、リアルタイム配信のライブTVの利用にあたっては、サービスの加入後30日以内にホームネットワークを構築するよう求めている。Amazon(アマゾン)のアプローチは最も緩やかで、米国のプライム・ビデオの加入者は18歳以上の大人を2人、13歳から17歳を4人、13未満の子どもを4人、アカウントに追加できる。
ネットフリックスは世界で1億世帯がアカウント共有を行っているとしている。
(forbes.com 原文)