教育

2023.02.07

米国で大学入学者数の大幅減少に歯止め

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米国で長年に渡り継続して見られていた大学入学者数の減少に歯止めがかかっている。全米学生クリアリングハウスリサーチセンター(NSCRC)の新しい報告書によると、2022年秋の学部入学者数は、前年と比較して全国で約9万4000人の減少、わずか0.6%だった。

高等教育機関の入学者数は、2019年と比較すると全体で約111万人減少しており、パンデミック前の水準を大きく下回ってはいるが、それでも新入生の入学者数は約9万7000人回復し、前年秋と比較して4.3%増加している。高等教育指導者の間で待望の楽観論が聞かれるようになったのはこのためだ。

パンデミックの大半を通じて比較的明るい話題であった大学院生の入学者数は、反転を見せた。2020年に3.0%、2021年に2.4%増加した後、秋の大学院生入学者数は3万9000人と1.2%減少した。この減少は、すべての種類の4年制学校で見られている。

分野別の入学者数

入学者数の推移は、高等教育の分野ごとに異なる傾向がある。

・コミュニティカレッジでは、学部生が0.4%増加した(約1万6700人の増加)。この増加は、アメリカの高校生が大学にも在籍し、大学の科目を履修することを指す「デュアル・エンロールメント」の急増によるもので、前年度の6.7%の減少からの大きな転換だった

・私立の4年制大学(非営利)では、前年には1.6%という大幅な減少を経験したが、今年は0.1%(約2500人)というわずかな減少にとどまった

・公立の4年制大学では、今年さらに1.4%、8万8000人の生徒が減少し、減少幅が大きくなった

・私立4年制大学(営利)は、前年から5.0%増の2万9000人が入学した
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翻訳=上西雄太

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