キャリア

2023.02.10

「育休中のリスキリング」約6割が無理と回答

Getty Images

岸田首相は1月27日、「産休・育休中のリスキリング(学び直し)を後押しする」意向を表明。野党や国民から「育休は休みじゃない」「赤ちゃんを育てるのは、普通の仕事よりはるかに大変」などと、多くの批判や戸惑いの声が寄せられている。

そうした中、キャリアコーチング事業を展開するアクシスは、 日本国内で働く20代から50代の男女300名を対象に、「リスキリング」についての意識調査を実施。実際、働く人たちがリスキリングを希望しているのかどうかやリスキリング経験の有無、産休・育休中のリスキングをどの程度可能だと思っているのかなどについて、実態を調べた。

まず、「リスキリングをしてみたいか」の質問には、「はい」と答えた人が8割以上に。「リスキリングをしたことがあるか」を尋ねると、「ある」という人は4割にとどまった。

「所属する会社にリスキリングに関する制度はあったか」の質問には、「あった」と答えた人が3割を下回り、「なかった」が7割超に。多くの人がリスキリングを希望しているものの、そのための環境を整備できている企業はまだ少数派だという実状が、明らかになった。

さらに「産休・育休中のリスキリングは可能だと思うか?」の質問には、「いいえ」と答えた人が58%。約6割が産休・育休中のリスキリングを不可能だと捉えていることが浮き彫りに。一方で、4割超が「可能だ」と考えていることも分かった。

確かに産休・育休(産前産後休業・育児休業)では、その名の通り業務は休むことになるが、出産と育児で仕事以上に大きな体力・気力を求められることが頻繁にある。そうした中、並行してリスキリングを行っていくことは難しい、と考える人が多いのも無理はないだろう。

しかし今後、家族や社会から得られるサポートなど、産休・育休中の親を取り巻く環境が変わっていけば、その間の「リスキリングが可能だ」と考える人の割合は、少しずつ増えていくのかも知れない。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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