起業家

2023.02.08 09:00

Web3起業家の渡辺創太が米国で得た、事業成長を生む考え方 #1

インビュアーの内山幸樹(左)と、ステイクテクノロジーズCEOの渡辺創太氏(右)

インビュアーの内山幸樹(左)と、ステイクテクノロジーズCEOの渡辺創太氏(右)

アメリカ在住の日本人経営者である内山幸樹が、シリコンバレーで最先端のトレンドを築く“Wave Makers”たちにインタビューする本連載。
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2回目のゲストは、ステイクテクノロジーズCEOの渡辺創太(わたなべ・そうた)さん。ビットコインやイーサリアムなどの異なるブロックチェーンを1つのネットワークに接続する「Polkadot」プロジェクトで、スマートコントラクトプラットフォームとして機能するパブリックブロックチェーン「Astar Network」を開発しています。

渡辺さんは2019年に日本で起業した後、シンガポールへ。世界各地でエンジニアを採用しながら、破竹の勢いで事業を拡大させてきました。日本発のWeb3企業が、グローバルで戦うには何が必要なのか。渡辺さんの体験をなぞりながら、事業推進のヒントを語っていただきました。


海外ビジネスを目指したきっかけ

内山:創太くんとは、3年前に東大ブロックチェーン・イノベーション寄付講座の立ち上げで出会いましたね。
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そして、創太くんから「絶対に見ないとダメです」と言われて連れていってもらったのが、2019年にベルリンで開催された「Web3 Summit Berlin」です。そこで私は、世界と日本のブロックチェーン業界の違いを目の当たりにしました。

ホットリンクが、早いタイミングから、世界のブロックチェーン技術に触れることができているのは、創太くんのおかげです。隔週日曜日のWeb3勉強会も、もう3年になりますね。

渡辺:僕が起業するときも、あらゆる面で内山さんからの支援に助けられました。

内山:創太くんは、会社を作る前からずっと「海外を目指す」と話していたのが印象的です。日本に留まらず、海外を目指そうと思ったきっかけは何でしょう?

渡辺:学生時代にシリコンバレーでインターンを経験していたこともあり、自然と海外展開が前提になっていたんだと思います。

現地で働く人たちは、みんな視座が世界基準。移民も多いし、アメリカを良くしたいというより、世界全体を良くするためのアイデアを考えている人がほとんどでした。

内山:Web3に目をつけたタイミングもかなり早かったですよね。

渡辺:2019年にWeb3に取り組み始め、日本ではかなり初期の段階からコミットした人間だと自負しています。

当時はWeb3という言葉自体、まだあまり浸透していなかったのですが、2021年頃から徐々に認識が広まって、事業もやりやすくなりました。2022年に、世界で3番目にPolkadotのパラチェーン(Polkadotに接続できる独立したブロックチェーン)枠を獲得し、米国トップファンドのポリチェーン・キャピタル(Polychain Capital)やBinance、Coinbaseなど大手ベンチャーキャピタルからの資金調達も実施しました。

ようやくグローバルプロジェクトとして世界に認識され始めてきた実感があります。
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取材=内山幸樹 構成=水落絵理香 編集=露原直人

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