創業期から優秀なエンジニアを採用するには?
内山:創太くんの凄みを感じるのが、立ち上げ当初から世界で戦えるレベルの人材を採用しているところです。2人目の社員として、ロシアで優秀なエンジニアを採用したり、世界のプログラミングコンテストで何度も優勝している人をCTOに引き入れたり。採用のコツはなんでしょう。
渡辺:まず、僕自身が技術の理解を深め、エンジニアのスキルを判断できるようになる必要があります。そして、優秀なエンジニアの多くは、先鋭的なプロダクトを開発している組織で働きたいという彼らの願望を知ることです。
起業当時、僕らは日本では相手にされませんでしたが、海外のPolkadotのカンファレンスに行くと知ってくれている人が何人もいました。Polkadotのコミュニティに入れたことで、採用も進めやすくなりました。優秀なエンジニアを採用するには、世界最先端の場に身を置くことが重要だと思います。
内山:目の付け所が良かったんですね。
渡辺:たまたまです。事業自体も2,3回ピボットしましたし。
内山:「この事業なら勝てる」と踏んで、世界に進出したわけではなかったんですか?
渡辺:はい、勝算はありませんでした。1つ、僕が人生で学んだのは、勝つためには「誰でもできることを誰にもできないぐらいやる」ことです。例えば、Polkadotでプロジェクトを始めて、わざわざPolkadotの運営チームに会いに行く人なんてほとんどいません。オンラインで少しやり取りするくらいが普通です。
でも、僕は現地まで行って、チームと対話して関係を構築することにリソースを注ぎました。訪問した際も、手ぶらで行かず、毎回必ず成果物や仮説を持っていきました。
ペイ・フォワードの精神を持て
内山:先ほども話に挙がりましたが、資金調達の面では、海外でスピーディに実施できていましたね。渡辺:そこは、内山さんご紹介の出井さん(ソニー元経営最高責任者 故・出井伸之氏)から投資いただけたのが、アピールポイントになりました。
僕は、資金調達は信用の積み重ねが最も重要だと思っています。内山さんに信用してもらうことで出井さんをご紹介していただきました。
初期に出井さんにサポートしていただいたおかげで対外的な信頼につながり、資金援助以上の恩恵を受けることができました。
内山:良い縁を繋げられてよかったです。ブロックチェーンに取り組んでいるのは若い方が多いので、業界として勢いはある。ただ、社会の基盤になりえる技術だから、私としては、もっと大人を巻き込んでいきたいという想いがありました。
ここまでのスピードで事業成長を遂げてきたのは、創太くんのギブの精神あってこそだと思います。
私のWeb3関連事業にエンジニアを紹介してくれたり、協力してくれたことで、創太くんの人間性やネットワーク力、行動力などが見え、安心して(出井さんを)紹介できました。