働き方

2023.02.07 08:50

あなたは「促進焦点型」? 心理学者に聞く、ビジネス上のライバルとのつきあい方

ライバルは要らないと思う人は

この記事をここまで読んで「自分にはライバルは要らないな」と思った人。そういうあなたは、予防焦点タイプの人かもしれません。予防焦点タイプの人が、ライバルの存在を下手に意識すると、ライバルの存在がストレスになって心が傷ついたり、「自分はダメだ」と自己否定を強めたりして、パフォーマンスが下がってしまうことがあると言われています。

あなたが「自分は予防焦点タイプだな」と思うならば、ライバルよりも、あなたの周りの人たちの中から、仲間だと思える人、あるいは協力したり助け合ったりできると思う人を、思い浮かべてください。もし、あながた「そういう人は誰もいない」と思うならば、これ機会に、多少、無理にでも具体的に「〇〇さんは私の仲間だ」と意識してみてください。



一日の仕事の終わりに、「私の仲間だ」と意識した人のことを、「きょうはどうだっただろう」と思い浮かべたり想像したりしましょう。また、その人の視点から、あなたがきょう一日、どのように見えたか、あなた自身の一日の仕事ぶりを振り返りましょう。そして、わずかなことでも、小さな進歩でも良いので、あなた自身の中の良かった点を探して、自分を誉めてあげましょう。

*「〇〇(自分の名前)、良くやったよ」と、自分で自分を誉めても良いですし、あなたが仲間だと思っている人が、あなたを誉めていることを想像しても良いです。いずれの場合も、実際に声に出して自分を誉めてあげて、そのあと、口角を引き上げて、笑顔を作ってください。

実は、このタイプ分けは

促進焦点タイプと予防焦点タイプ。あなたは、自分のことを、どちらのタイプだと思いましたか?

実は、このタイプ分けは、「促進焦点タイプの人は予防焦点タイプの特性を持っていない」、あるいは、「予防焦点タイプの人は促進焦点タイプの特性を持っていない」ということではないのです。厳密に言うと、「一人の人の中に、促進焦点の特性も、予防焦点の特性も、両方あり、どちらの特性が優勢か」ということです。促進焦点タイプの人は、予防焦点の特性も持っていても促進焦点の特性が優勢な人であり、予防焦点タイプの人は、促進焦点の特性も持っていても予防焦点の特性が優勢な人なのです。

そのため、促進焦点と予防焦点の特性に大差がある、典型的な促進焦点タイプの人、あるいは予防焦点タイプの人もいれば、促進焦点タイプであっても予防焦点の特性もたくさん持っている人、あるいは予防焦点タイプであっても促進焦点の特性もたくさん持っている人もいます。

また、同一人物であっても年齢や立場によって、タイプが変化する人もいます。たとえば。部下の時は促進焦点タイプだったのに、上司になったら予防焦点タイプに変わった、という人もいます。職場環境の変化や転職がきっかけになり、タイプが変化する人もいます。

予防焦点タイプの私からのお薦めは

「一人の人の中に、促進焦点の特性も、予防焦点の特性も、両方ある」、「優勢な特性が変化することもある」。この2点を念頭に置くと、あなたが、どちらのタイプであっても、「ライバル」、または「協力できる仲間」、どちらか一人だけを意識するのではなく、「ライバル」と「協力できる仲間」、二人を意識すると良いと思います。二人を思い浮かべ、一日の仕事の終わりに、その二人の視点から、あなた自身を見つめなおす日々を送ってください。そうすれば、あなたがいずれのタイプであっても、ビジネスの現場での、ほかの人の存在が、あなたのパフォーマンスの向上に、ポジティブな影響を与えます。

文=相川充

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