「Innovation Momentum, 2023: The Global Top 100」は、文字どおり技術系企業の気運がわかるレポートです。レクシスネクシスではこれを「現在の社会課題に対する画期的なソリューションを開発し、さらなる飛躍のための知的財産基盤を築いている企業は業界を評価」し、「世界でもっともダイナミックなイノベーターが科学技術の進歩にどのように貢献しているかを図式化」したものだとしています。
世界各国の特許技術に関するデータベースを持つレクシスネクシスは、特許価値の変化を測り、技術価値の増分とその動きの方向性を算出して、企業の技術開発力の勢いを分析しています。重視されるのは。企業が保有する特許ポートフォリオの質や量です。産業分野別の企業数。上位から、製薬、情報技術、化学と素材、電子、半導体、医療技術、消費材、工学、自動車、バイオ技術、技術研究開発、家電、複合企業。
同社は、今年の3つの傾向を提示しています。ひとつは、「グローバルなトレンドが加速し、イノベーションの新しい波を起こしている」というものです。化学および素材産業が上位にランクインしたことから、これが「他の産業の基礎となる重要な役割」を果たしていることがわかるといいます。注目企業はLG ChemsとBASFです。
たばこ企業も多くランクインしました。たばこの規制が進むなか、フィリップ モリス インターナショナルなどによる電子たばこによるイノベーションが進んでいるとのこと。急速に進む高齢化を反映して、メドトロニックなどの医療機器メーカーもラインクインしています。
2つめは「医療品とITがリードする、スピード感のあるいのべーション」です。コロナ禍の影響もあり、医療品企業が最多となり、次いで、ステイホームにともなうIT企業の勢いが増しています。半導体も需要の高まりからランクインしています。
3つめは「イノベーションにおいて地域による差は顕著であり、新規参入企業は新たな視点をもたらす」です。一部分野のインベーションが特定の国や地域に集中する傾向が見られました。アメリカは医療とIT、中国と韓国はエレクトロニクス、化学、素材といった具合です。
今回は、ランクインした日本企業が6社と前年と比較して大きく伸び、かたや中国は昨年の18件に対して13件と減少しました。
プレスリリース