YouTubeが健康関連の誤情報対策で重視する5項目

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世界中のウェブサイトのなかで2番目にアクセス数が多いYouTubeは先ごろ、健康関連の誤った情報への対応を強化するため、英国民保健サービス(NHS)とパートナーシップを結んだ。

健康関連の情報を専門に扱う「YouTube Health」がミッションとして掲げるのは、「すべての人に、質の高い情報を届ける」ことだ。フェイクニュースが横行するこの時代に、まさに的を射たものだといえる。

以下、英国におけるYouTubeのこの活動を率いるヴィシャール・ヴィラニ医師の話から、この取り組みにおいて重視される5つのことを紹介する。

1. 情報源としてのインターネットへの依存度は、ますます高まっている

いまやインターネットは、私たちの生活に欠かせないものだ。健康についての悩みがあるときにも、ほとんどの人はまず医師に相談するのではなく、インターネットに頼っているのではないだろうか。

YouTubeのデータによると 2021年の1年間だけでも、健康問題に関連する動画はおよそ18万本アップロードされており、これらの視聴回数は20億回余りにのぼっている。

情報に瞬時に、オンデマンドでアクセスできることに誰もが慣れている現在、医療従事者の数や、国による健康関連の問題についての教育が不足している状況を補っているのがインターネットだ。だが、ネット上で公開されている健康関連の情報の正確性と安全性を監視することは難しい。そして、誤った情報の拡散は、実質的な影響を及ぼしている。

2. フェイクニュースに対抗するには、検索結果が正確な情報を提示することが重要

インターネットを利用する成人の92%がYouTubeにアクセスしているとされるなか、18~34歳は毎日平均70分間、YouTubeのコンテンツを視聴している。健康関連の情報を検索する可能性が非常に高いのも、この年齢層だ。この人たちがアクセスするコンテンツを、より信頼し得る、正確かつ安全なものすることが重要だ。

YouTube HealthはNHS傘下のNHSデジタルと緊密に連携し、信頼に足るソースから発信されたコンテンツが検索結果の上位に表示される「ヘルスシェルフ」を作成している。
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編集=木内涼子

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