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2023.02.04 08:00

軍事産業出身のエンジニアが作った運転支援システムSpartan Radarの実力

Getty Images

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自動運転の乗用車やトラックが本格的な市場になるのはまだ数年先のことになりそうだが、運転操作の一部を自動化するソフトやハードの市場は活況を呈しており、現在、ほとんどの新車にはカメラやレーダーが搭載されている。

軍事産業出身のエンジニアらが立ち上げた南カリフォルニアのスタートアップ「スパルタン・レーダー(Spartan Radar)」は先日、安価なレーダーで周囲の状況をより詳細に把握可能にし、運転支援システムの性能を向上させるソフトウェアの商品化に向けて1700万ドル(約22億円)を調達した。

設立から約2年の同社は1月に実施した調達ラウンドで、マイクロソフトをはじめ8VC、IronGate Capital、Prime Movers Lab、MaC VCなどの支援を受けたと発表した。これにより、スパルタンの2021年以降の累計調達額は約4200万ドルに達した。

同社のCEOのネイサン・ミンツ(Nathan Mintz)は、マイクロソフトの支援を受けられたことは特に意義深いと述べ、「当社のプロダクトは、従来の製品の4分の1の部品で最大10倍の解像度を実現する」と語った。

スパルタンは、今年から商用車向けのアプリケーションの納入を開始する予定だ。カリフォルニア州ロスアラミトスに本社を置く同社は、2025年までに乗用車向けの技術供給を開始する予定だが、将来のパートナーについては言及を避けた。

同社のレーダーと信号処理のソフトウェアに関する専門知識は、創業者のミンツやCTOのタイラー・ラザー(Tyler Rather)、チーフ・テクノロジストのテアゲニス・アバツォグロウ(Theagenis Abatzoglou)の3人が軍事企業大手のレイセオンに在籍時に手がけた、戦闘機とステルス機のレーダー技術にルーツを持つものだ。

彼らは当初、独自のハードウェアの開発を計画したが、安価なセンサーで、高価なLiDARに匹敵する精度と鮮明さを実現するソフトウェアに大きなチャンスがあると考えた。スパルタンのソフトウェアは、車のレーダーシステムを、最も優先順位の高いものに集中させることで性能をアップさせるという。

同社の技術は、最終的に自動運転車が市場に出たときに、センサーのコストを抑えるのに役立つが、現状では、GMのスーパークルーズやテスラのオートパイロットのようなADASシステムのコスト削減を支援しようとしている。同社はまた、現状では主に低速での走行を対象としている緊急ブレーキを、より高速での走行にも対応させようとしている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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