2億5000万ドルの保釈金
しかし、12月19日になってバンクマンフリードは、身柄引き渡しに抵抗する権利を放棄し、起訴に応じるために米国に戻ることに同意した。その2日後、FBIの専用機で、ニューヨークに移送された彼は、地元の警察署で一夜を明かした。そこで親切な見知らぬ人からベジタリアン用の食事を分けてもらったことを彼は覚えている。翌朝、連邦地方裁判所でバンクマンフリードの弁護士は、彼の両親が400万ドルの自宅を担保に入れて工面した資金で、2億5000万ドルの保釈金を支払うことに同意した。彼は今、生まれ育ったその家で、司法当局が容疑者を自宅に軟禁する際に用いるGPS付きのアンクレットを足首に装着して過ごしている。彼のパスポートは没収され、裁判所の承認なしに新しいクレジットカードを作ったり、1000ドル以上の金融取引をすることは禁止されている。
ここ最近、バンクマンフリードは、スタンフォード大学のキャンパスのはずれにある実家の書斎でほとんどの時間を過ごしている。フォーブスの3時間に及んだインタビューに答えている間も、彼は2つのモニターを接続したゲーム用のラップトップに向かっていた。
彼は今、ネットの世界に復帰し、自身のニュースレター「SBF Substack」の記事の執筆に多くの時間を割いている。彼は最初の2つの投稿で、FTXとアラメダリサーチの没落の歴史について、彼なりの見解を述べている。
バンクマンフリードは、彼が90%以上を保有するアラメダの経営について権限がなかったという以前からの主張を繰り返している。彼はまた、FTX USに支払能力があり、明日にでも顧客の引き出しに応じられるとも主張しており、「私がCEOを辞任してチャプター11の適用を申請したのは間違いだった」と述べている。
外ではカリフォルニアの太陽が輝いているが、カーテンが閉じられた彼の部屋は薄暗い。バンクマンフリードの両親は、数週間前にサンドール(Sandor)という名前のシェパード犬を購入した。この犬は、人懐っこいが、飼い主が秘密の言葉を発すると他人を攻撃するように訓練されている。
バンクマンフリードの裁判は10月2日に行われる。
(forbes.com 原文)