クルマの自動駐車サービス、ボッシュがドイツの空港などで開始

プレスリリースより

ボッシュは、欧州の大手駐車場事業者APCOAと共同で、車を自律運転させて駐車スペースに入れる自動バレーパーキングのサービスをドイツ全土で展開すると発表しました。車を駐車場の入口に停めて、あとはアプリで命令すれば、自分で駐車スペースに入ってくれます。出るときも、命令すれば入口まで走ってきてくれる。こんな夢のような世界が、もう実現しているのですね。

バレーパーキングとは、高級ホテルの入口などに車を乗り付けると、係の人がキーを預かって駐車場への出し入れを代行してくれる駐車サービスのこと。このシステムは、それを無人でやるというものです。ドライバーは、駐車場入口の引き渡しスペースに車を置きアプリで指示すると、ボッシュのステレオカメラを中心とする車の駐車場の双方のシステムが連動して、周囲の安全を確認しながら車が自走します。そして、自分で空いているスペースを探して駐車します。

ボッシュは、APCOAとメルセデス・ベンツとの共同で、シュトゥットガルト空港のP6駐車場にこの自動バレーパーキング・システムを設置し、ドイツ国内でのドライバーを載せない自動パーキングの商用利用で正式な承認を得ました。それを受けてボッシュは今年から、ハンブルク、ベルリン、ケルン、フランクフルト、ミュンヘンなど都市部の15箇所の駐車場へのこのシステムの設置を開始します。当初は1駐車場あたり4台分のスペースを設けますが、このシステムはモジュラー式なので、迅速に最大200台分まで拡張できるとしています。

精密な自動運転で、狭い通路も安全に走行できます。当然、「ドアこっつん」の心配も、トナラーにイライラさせられることもありません。また、ドライバーの乗り降りがないので、車をきっちり詰めて駐車できます。ボッシュによれば、このシステムを使えば最大で20パーセント多くの車を駐車でき、狭くて遠い不人気な駐車スペースの活用に適しているとのことです。

これを利用できる車は、現在は自動運転レベル4に対応し、「インテリジェントパークパイロット」を搭載した一部のメルセレス・ベンツのSクラスとEQSのみですが、このシステムは、駐車場自体に数々のスマートテクノロジーが整備されるので、車両側の技術的要件は必要最低限で済むとのこと。そのため、あらゆる車両に対応可能だとボッシュでは話しています。

気がつけば、テレビでも自動運転車のコマーシャルを見るようになったし、車社会はここまで進化してきたのですね。ボッシュでは、世界中の駐車場にこのシステムを「段階的かつ大規模」に市場投入する計画だとのこと。自動運転車が普及すれば、駐車場の形も一気に変わりそうです。

文 = 金井哲夫

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