新規事業

2023.01.27

米バズフィードがChatGPTで記事作成へ、株価が203%の急騰

バズフィードCEOのジョナ・ペレッティ(Photo by Bennett Raglin/Getty Images for BuzzFeed Inc.)

米国のバズフィードニュースの運営元で、ハフィントンポストを傘下に持つメディア企業のバズフィードが1月26日、人工知能(AI)を活用したコンテンツ制作に多額の投資を行うことを宣言した。これを受け同社の株価は、チャットボットのChatGPTへの関心が高まる中で急騰した。

同社のジョナ・ペレッティCEOは、社内向けのEメールで会社を「AIを活用したコンテンツのプレミアプラットフォームに変えたい」と述べた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は26日、バズフィードのAIへの取り組みと、同社がフェイスブックの親会社のメタと約1000万ドルの契約を結びコンテンツ制作を請け負うことを報じた。

これを受け、バズフィードの株価は203%も急騰して一時2.88ドルをつけ、その後はやや値を戻して2.09ドルで当日の取引を終えた。同社の株価は、昨年6月以来の高値を付けたものの、2021年12月のIPO当時からは80%近く下落している。

ペレッティCEOは社員宛てのEメールで、「AIのインスピレーションを得たコンテンツ」が今年の中核ビジネスの一部になると説明し、そこにはクイズ系のコンテンツが含まれると述べた。事情に詳しい関係者はフォーブスの取材に、バズフィードがChatGPTを手がけるマイクロソフトの支援を受けたオープンAIの技術を活用すると話した。

バズフィードは、今から約13カ月前のSPAC(特別目的買収会社)ブームの末期に、SPACとの合併により上場した。同社は、2021年に買収したハフィントンポストと若者向けエンタメネットワークのComplexを所有している。2022年11月に一般公開されたChatGPTは、すぐに人気が爆発し、マイクロソフトは23日、運営元のオープンAIに数十億ドルを追加投資すると発表した。

ペレッティCEO は26日の声明で、「インターネットの次の15年間は、AIとデータがコンテンツの作成やパーソナライズを手助けすることで定義されるだろう」と述べた。

バズフィードは、26日の株価の急騰によって時価総額を1億5600万ドル(約202億円)上昇させた。2021年6月に上場計画を発表した当初は、15億ドルと評価されていた同社の時価総額は2億9100万ドルに膨らんだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事