米国民健康・栄養調査のデータによると、成人の5人に2人以上、子どもの5人に1人近くが肥満であることがわかっている。さらに、米国では肥満率が35%を超える州が19州あり、昨年の16州から増加した。10年前には、肥満率が35%を超えている州はなかった。肥満は糖尿病、心臓病、脳卒中、乳がんや大腸がんなど、さまざまな健康障害と関連がある。それでも足りなければ、肥満の年間医療費は2019年だけで約1730億ドル(約22兆円)にもなる。
米国における肥満の蔓延には多数の要因があるが、大きな懸念は食べ物の量だ。なぜ米国民は地球上のどの国よりも多く食べているのか? ある先行研究では、米国の食事量を世界の他の国の食事量と比較している。この研究では、パリの食事量はフィラデルフィアの食事量の4分の1であることがわかった。米国内でも、ファーストフードの量は1950年代に比べて4倍にもなっている。最近海外に行ったが、米国以外の国では、マクドナルドの特大サイズのポテトを食べることはできない。
コーネル大学の研究でも、人はより多くのものを与えられるとより多く食べることが実証されている。外食が多い米国人にとって、分量が多いほどカロリー摂取量が多くなり、体重が増えるのは当然だ。
さらに、米国人の座りっぱなしの生活も問題だ。84%の米国人が1日2時間以上テレビを見て過ごしている。15年間にわたって米国人の行動パターンを追跡調査した研究によると、座っている時間の合計は、青年で1日7時間から8.2時間に、成人では5.5時間から6.4時間に増加した。米国人が活動的でなくなるにつれて、1日に消費されるカロリーが少なくなり、カロリーが蓄積され、最終的に体重が増加する可能性が高い。