米国における肥満の抑制は、食生活の改善や運動といった個人レベルでの取り組みだけでは成功しないだろう。肥満の抑制は差別、食糧不安、主要な健康資源へのアクセス不足などの構造的要因を対象とした公衆衛生的アプローチによってのみ可能となる。例えば、食料不安とは、資金や資源が不足しているために健康的な食品を摂取できないことを指す。米国の最貧困層は、スーパーマーケットで最も栄養価の高い高価な食品を買うことができないことが多く、その代わりに、カロリーは高いが栄養価の低い、安価なファストフードを購入しなければならない。マイノリティや社会経済的地位の低い人々に肥満が多いのは当然のことだ。米国では非ヒスパニック系黒人の肥満率が最も高く、次いでヒスパニック系成人となっているが、これは彼らの住む場所や健康的な食品を購入するための資源がないことが原因であることが多い。
米国政府および州の政策立案者は、肥満との闘いを優先させなければならない。これは、栄養補助プログラムのような連邦政府のプログラムへの資金を増加させると同様に、パンデミックの間に多くの州で行われたように、すべての公立学校の子どもたちのために健康的な学校給食を提供することによって行うことができる。
高品質の食事をする余裕がある人たちにとって、肥満の解消は、特に健康的で少量の食事、そして活発な運動といったことから始まる。イスラム教の教えでは、預言者ムハンマドが仲間に胃の1/3を食べ物で、1/3を水で、1/3を空気で満たしなさいと諭している。1400年以上前のこの教えは、私たちにとって有益なものかもしれない。
(forbes.com 原文)