著者が説明しているように、AIソフトウェアが「学習」できるように情報を供給するために、研究者は苦労してサメを追跡・識別してサーフライフセーバーのためのモバイルアプリを作成することができた。「この新しいデータセットを使って、ホホジロザメといった危険なサメを含む10種類の海洋生物を認識する機械学習モデルを訓練した。そして、このモデルを新しいモバイルアプリに組み込み、ドローンのライブ映像に映るサメを目立たせ、その種類を予測できるようにした。ニューサウスウェールズ州政府およびサーフライフセービングNSWと密接に協力し、2020年夏に5つのビーチでこのアプリを試用した」という。
試験結果はどうだったのか。「AIサメ検知器はかなりうまく機能した。現実的な条件下で、80%の確率で危険なサメをフレーム単位で識別した。私たちはテストを難しくするために意図的に異なる時期に撮影されたこれまでに目にしていないデータや、異なる外観のビーチで撮影されたデータでAIを実行した」という。
このアプリにはいくつかの限界があった。例えば、似たような輪郭を持つサメの識別は難しく、小さな動物は検出が困難だった。だが研究チームはAIが「オーストラリア中の海岸でドローンを使ったサメの監視作戦で展開できるほど使えるものになった」と確信している。「しかし通常のソフトウェアとは異なり、危険なサメを検知する高い信頼性を維持するためには頻繁に監視・更新する必要がある」という。
南半球は現在、夏であるためドローンは海をスキャンするために再び飛び、できることなら海水浴客を保護したい。「AIはこれらの飛行をより効果的にし、ドローンを活用した監視の信頼性を高める上で重要な役割を果たすことができ、最終的には完全自動化されたサメ発見作業と信頼できる自動警告につながるかもしれない」と著者たちは結んでいる。
(forbes.com 原文)