リーダーが2023年に切実に必要とするスキル

Getty Images

2022年は目まぐるしい年だった。迫る景気後退やテックセクターでのレイオフ(一時解雇)、従業員の燃え尽き症候群がピークを迎えるなどさまざまなことがあった。

そのため大半のリーダーは、今年はより落ち着き安定した年になることを切実に望んでいる。残念ながら、それが実現する可能性は楽観的に見ても少ないだろう。

しかし、会社がリーダーに与えるトレーニングを改善することはできる。リーダーが適切なスキルを身に付けていれば、2023年に直面する難しい局面はどれもそれほど悲惨なものに思えないはずだ。リーダーは今年、次の3つの重要スキルを身に付けている必要がある。

1. 価値観の構築、指導、実践

従業員と雇用主の契約は過去数年の間に従業員に有利な方向へと変化した。優秀な従業員は、会社がやることを静かに受動的に受け入れない。企業の価値観を理由に入社した優秀な人材は、会社がこうした価値観を実践することを求めると考えてよいだろう。会社が価値観を明確に定義していない場合、そもそも優秀な人材を採用できる可能性は低い。

筆者のコンサルティング企業リーダーシップIQが行った「Why Company Values Are Falling Short(企業の価値観が実現されない理由)」では、会社がきちんと定義された企業価値を持っている場合、従業員が仕事に熱心に取り組む確率が115%上昇することが分かった。

ただ、会社の価値を実践するために必要な具体的な行動を詳細に定義している企業はわずか24%だ。

リーダーは2023年、企業の価値観を徹底的に伝え、説明しなければならない。さらに、リーダーは全ての従業員に対し、こうした価値観を実践するため必要な振る舞いを具体的に伝える必要がある。

企業価値は2023年、ただ額縁に入れられて会議室の壁にかけられた形だけの文書ではなく、継続的に教えられ、実践される必要がある。

2. 不満の緩和

燃え尽き症候群は現在、大半の企業で恐ろしい水準に達している。景気後退が近づいているように見えるほど、従業員はより大きなストレスを抱え、燃え尽きもひどくなる。しかし、燃え尽き症候群には対策がある。実践しやすいものの一つは従業員の不満を緩和することだ。

リーダーシップIQでは「Frustration At Work(仕事での不満)」の調査を行った。それによると、従業員の60%ほどは仕事で直面する不満の大きさが理由で他の仕事を探すことを望んでいる。ただ従業員の84%は、主な不満が解消されれば生産性が大幅に上がるだろうと感じている。
次ページ > 従業員の仕事の不満は大部分が直せるもの

翻訳・編集=出田静

ForbesBrandVoice

人気記事