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2023.01.05 11:30

外国企業が撤退したロシアで国内テック企業が台頭も西側依存のつけは大きく

Getty Images

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ロシアの大統領ウラジーミル・プーチンは、2017年のドキュメンタリー『ザ・プーチン・インタビューズ』で、ソ連崩壊後にロシアのハイテクはすべて、すぐ米国製に取って代わられたと映画監督オリバー・ストーンに語っている。モスクワのオフィスではMicrosoft(マイクロソフト)やAdobe(アドビ)のソフトが使われていた。行政機関や国有の大企業はIBM(アイビーエム)のコンピュータを使っていた。プーチンはこの状況を嘆いた。宇宙飛行士を送り出した国でありながら、真のコンピュータ企業が皆無だった。ロシアにはコンピュータや数学のスキルを自国で発揮できるものがなかった。

それから数年が経ち、ロシアのハイテク企業は成長した。Google(グーグル)はロシアに進出したが、かつて米株式市場NASDAQ(ナスダック)に上場していたYandex(ヤンデックス)にあっという間に市場から追い出された。現在では、ロシアのあらゆるものと同様、2022年に始まった制裁措置によりYandexは禁止されている。

西側諸国の企業はソ連崩壊後にすぐにロシアに進出し始めたが、2022年冬のウクライナへの侵攻後はそれよりも早く去った。一部の企業は騒ぎ立てながら、それでもロシアを去った。ロシアは孤立している。今、二次的制裁を敬遠する中国企業ですら、去るか待機しており、もはや事業を拡大することはないと報じられている。

中国の富豪ジャック・マーが創業したAliExpress(アリエクスプレス)はおそらくロシアからの撤退を検討している。

こうしたロシア脱出の動きで恩恵を受けているロシア企業もある。

2004年にモスクワの自宅でとある母親が創業したWildberries(ワイルドベリーズ)という会社は、事業拡大を停止している外資系企業から多少の遅れを取り戻している。Wildberriesの創業者タチアナ・バカルチュクは現在、Forbesの推定で資産約50億ドル(約6600億円)の富豪だ。ウクライナは、ロシア軍の戦車がウクライナ東南部ドンバスに進入する前の2021年7月に、ウクライナ政府の基準で政治的に正しいと認められない書籍を販売したことや、ロシアの軍事商品を販売したことを理由に、Wildberriesに制裁を科した。ウクライナではAliExpressは禁止されておらず、消費者はオンラインでロシア軍のZパッチを購入することができる。ポーランドはまた、制裁を科されたロシアの銀行VTBとの関係を疑い、バカルチュクにも制裁を科した。

ロシアのハイテク企業はペレストロイカからほぼ一世代を経た現在でも、西側諸国の企業に比べれば取るに足りない存在だ。しかし、企業が撤退すれば、多くの企業が市場を取りに行く。西側企業の市場シェアの一部は中国企業にいくだろう。Lenovo(レノボ)はDell(デル)に取って代わる。しかし、他のシェアはロシア企業にいくはずだ。

だが、そのリストは少ない。ロシアはかなり遅れている。今になってようやく、彼らは家庭用ノートパソコンの製造に本腰を入れるようになった。サーバーとストレージシステムのブランドBitblaze(ビットブレイズ)を展開するロシア企業Promobit(プロモビット)は新しいラップトップをベータテスト中だ。ロシア製のプロセッサー「Baikal-M1」を搭載している。このノートパソコンの主なターゲットは政府機関だ。2022年に市場投入される予定だったが、そうならなかった。1つ疑問なのは、台湾の半導体企業が米政府といっしょになって重要なコンピュータチップのBitblazeなどへの輸出を禁止した今、Bitblazeがコンピュータを大量生産できるのかということだ。
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翻訳=溝口慈子

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