ビジネス

2022.12.27

スタンフォード生は、毎週人生を語る 日本人学生が見た「起業文化」

撮影=高梨良子

「スタンフォードは巨大なビュッフェ」


──授業やプログラムについて教えてください。

1年生の初学期前半は、クラブ活動やインターンシップが禁止されています。「スタンフォードは巨大なビュッフェだから」と説明されましたが、それは「最初からたくさん取るとサラダだけでいっぱいになるから、まずは見て歩いて、そのあと好きなものを好きなだけとる」という趣旨だそうです。それぐらい授業やプログラムが充実しています。


高梨遼太朗さん(撮影=高梨良子)

また、経営大学院の「スタートアップガレージ」や工学部の「リーンローンチパッド」など、授業内でビジネスを始動するものもあります。前者は、フード宅配サービスの「ドアダッシュ」(2020年に上場後初値が約6兆円(当時のドル円レートによる換算額)となったことで有名)なども輩出しています。

経営大学院がこの様な授業を持つのは当然ですが、スタンフォードはどの学部にも存在するのが特徴です。この「全学的起業文化」が多数の学部横断チーム組成を可能にし、価値あるイノベーションを生んでいて、自分も経営大学院に籠っていてはダメだと強く感じています。

──シリコンバレーとスタンフォード大学との繋がりは

無数にあります。経営者が教授に相談に来たり、VCが学内スタートアップを探したり、学生がインターンに行ったり。中でも興味を持っている課外活動の一つに「GSB(経営大学院)インパクト投資ファンド」があります。
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文=芦澤美智子、尾川真一 編集=露原直人 撮影=高梨良子

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