ビジネス

2022.12.14

イケア運営会社、ビーガンメニュー主体の飲食店コンセプトを発表

Ingka Centres提供

段ボールのフラットパックに梱包された家具を買いに行き、皿に山盛りになったミートボールでお腹を満たせる場所と言えば、スウェーデンの家具店イケアだ。

ご存知のとおり、イケアのフードコートで提供される料理、なかでもミートボールはいまや、誰もが知るメニューであり、熱狂的なファンを獲得するに至っている。

一方で、イケア・リテールやインカ・インベストメンツを傘下にもつインカ・グループの不動産部門インカ・センターズは2022年11月末、世界展開を目指す飲食店コンセプト「サルハール(Saluhall)」を発表した。ただしこちらでは、肉の話はほとんど出てこない。

「北欧スタイルの市場」を意味するサルハールでは、「北欧風」の食べ物や飲み物が提供される予定だ。その大部分が植物由来の食材を使ったものになると話すのは、インカ・センターズのフード&ビバレッジ(F&B)コンセプト開発責任者ステファン・クリアン(Stéphane Keulian)だ。

サルハールのコンセプトは、インカ・センターズがこのところ次々と手がけている、新しいスペース活用を目的とした投資の一環だ。同社は、循環型経済に関連したサービスや小売店を集結させたスペース「Circuit」や、スウェーデンのコワーキングスペース「Hej!Workshop」、中国の職住近接ユニット「Light by Livat」など、革新的な事業に投資している。

サルハールに出店する業者はすべて、植物由来食材の受け入れと、再生農業、地元の旬の食材使用に賛同する宣言書と基本理念に同意しなければならない。

文化と環境に配慮した独自ルール


サルハールでは当初、提供されるメニューの80%が植物由来食料を使ったものになる。また、出店者の60%は地元業者、提供料理の40%が北欧風だ。さらに、埋め立て地行きのゴミと、使い捨てプラスチックの使用はゼロだ。

サルハールではインドでの展開も念頭に入れており、そこでは牛肉をいっさい提供しない。これは、インカ・センターズのフードホールとしては初めての試みだ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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