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2022.12.09 08:00

米国人がオフィスで働く理由、1位は? 「交流重視」から変化

Ground Picture / Shutterstock.com

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イベントスペース、ホテルのロビー、リビングルーム──。在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせた「ハイブリッドワーク」時代に向けて、企業はオフィス以外のスペースも参考にしながら職場の活用方法を再考している。

社員同士が交流できるソーシャルスペースをもっと増やそうという方向にあるわけだが、あらためて留意しておくべき点がある。建築設計事務所ゲンスラーの最新調査によると、社員がオフィスに求めているのは何よりも「効率的に仕事をこなせる場」だということがわかった。

6日に公表されたこの調査では、今年6月14日から8月7日にかけて米国内のオフィス勤務者2000人あまりにアンケートをとった。それによると、オフィスに来る理由として最も多かったのは「仕事に集中する」だった。ほかの社員らと対面で会ったり、交流したりすることを重視する姿勢からの変化を示すもので、ゲンスラーで職場調査を担当するジャネット・ポーグ・マクローリンにとっても「驚き」の結果だったという。

ゲンスラーによる2020年の調査では、オフィスに来る理由として「仕事に集中する」を挙げた米国の労働者の数は「同僚と交流する」「対面ですぐつながる」「チームと直接一緒に働く」に続く4番目だった。

ポーグ・マクローリンは今回の調査結果について、景気が悪化するなか、過剰な仕事量を抱えた労働者が効率性を求めていることの表れかもしれないとみている。あるいは、コロナ禍の間抑えられていた仕事の効率性への願望がここへきて噴出したとも考えられるという。

各社は現在、コロナ禍を機に在宅勤務に切り替えた社員をオフィスに戻す目的について考え直している。オフィス勤務を義務づける会社側の方針に社員たちが反発しているケースもある。会社側は社員をオフィスに引き寄せられるような理由を探していて、社員側はオフィスに戻るなら、たんにZoomでつながる席を会社に移すのにとどまらない、もっと納得のいく理由を求めている。

マイクロソフトが今年11カ国の計2万人を対象に実施した調査では、4分の3が会社からの期待だけではオフィス勤務に戻るに気になれないと答えている。一方、同僚らとの交流のためならオフィスに戻る意欲がわくという回答は84%に達した。

ゲンスラーの調査結果は考え方の変化を示すものかもしれない。ただ今回のデータでも、社員側からみて、ひとりで働く場としての職場の有効性はこの15年ほどで最も低く、交流の場としての職場の有効性は2020年以降で最高になっている。ポーグ・マクローリンは、オフィスに来る理由に「仕事に集中する」を挙げた人について、そこでの仕事には個人の仕事とチームワークの両方が含まれるのかもしれないとも述べている。

建築設計事務所SO-ILの共同設立者で建築家のフロリアン・イデンバーグは、企業は今後「全員分のデスクが並んだ場所よりも、会社のカルチャーを表すようなスペース」を求めるようになるだろうと述べ、オフィスは「会社の会議場」のようなものになっていくと予想している。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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