欧州環境庁によれば、EUでは5人に1人が騒音公害の影響を受けています。また世界人口の99パーセントがWHOが定めた公害安全レベルを超える地域に住んでいます。それはおもに都市部です。世界銀行の調査では、現在、世界人口の半数以上が都市で生活しているとのこと。そこでダイソンは、騒音と大気汚染の両方に対処できるヘッドホンの開発に取り組みました。約30年間に蓄積されたダイソンの空気清浄技術が活かされています。
Dyson Zeroのおもな特徴は以下のとおりです。
ノイズキャンセリング
11個の内蔵マイクのうち8個で周囲の音を毎秒38万4000回モニターし、最大38デシベルまで低減。
フルスペックオーディオ
人の可聴域を超える6ヘルツから21キロヘルツまでの音を再生する高忠実度。
音の歪みを極限まで低減
40ミリ、16オームのネオジウムスピーカードライバーの出力は、毎秒4万8000回の信号処理により均等化され、全周波数帯域にわたって高周波の歪みを聞き取れない程度まで中和。
科学的なチューニング
独自のイコライザー設定で周波数カーブを最適化。
すべての人に同じ没入感
さまざまな頭のサイズや形の人でテストを行い、すべての人に同じ没入感のあるサウンドを提供。
通話機能
2つのマイクとフィードフォワード方式のアクティブノイズキャンセル技術により、デュアルマイクビームフォーミングを実現。クリアな音声通話、音声録音、音声コントロールが可能に。
空気清浄機能
マスクになるシールドは取り外しが可能。0.1ミクロンの微粒子を99パーセント補足する静電フィルターを備え、カリウムを含んだK-カーボンフィルターが、二酸化窒素や二酸化硫黄といった都市汚染の代表的な酸性ガスや不快な匂いを浄化。
リアルタイムのモニターと調整
ダイソンの家庭用空気清浄機と同様に、センサーにより二酸化窒素の濃度をモニターし、騒音レベルなどとともに「MyDysonアプリ」に表示。加速度センサーがユーザーの運動量を監視して、シールドを装着したオートモードでは浄化された空気の気流を適切に調整。アプリではオーディオイコライザーや音量の調整も可能。
最大50時間のオーディオ再生
オーディオ再生だけなら最大50時間。空気清浄機能との併用で4時間の再生時間。シールドを傾けると会話モードに切り替わり、空気清浄機とオーディオが一時停止して電池の浪費を制御。
設計は、イギリス、シンガポール、マレーシア、中国にまたがるチームによって行われ、ソフトウェアは東南アジアの拠点で重点的に開発されました。とくにオーディオに関しては、通常は「良い音」を判断する音響の専門家の耳に頼るところを、いかにもダイソンらしく、科学的なアプローチを選択したとのことです。「音響の研究を行い、導き出された仕様目標を大規模なユーザートライアルで検証」したとダイソンでは話しています。また、ダイソンマレーシア開発センターの専門テストエンジニアが高温多湿の環境下でのテストを実施。さらに、アメリカ、イギリス、中国、シンガポールでユーザートライアルを行いました。
Dyson Zeroは、2023年1月に中国、3月にアメリカ、イギリス、香港、シンガポールで販売が開始されます。日本展開は未定ですが、ダイソンの公式サイトに登録すると、最新情報が得られます。