月へ向かうNASA新型宇宙船オリオン号7つのトリビア

オリオン宇宙船(NASA)

先のNASAによる夜間打ち上げは、スペース・ローンチ・システム(SLS)のデビュー打ち上げシーンに終始したが、アルテミス1ミッション自身は、オリオン(Orion)というまったく新しい宇宙船によって遂行される。

現在、オリオン宇宙船は3機あり、1機は宇宙に打ち上げられ、もう2機は将来の月探査に向けて準備が行われている最中だ。

このNASAの宇宙カプセルは、アルテミス1ミッション中に月の向こう4万マイル(約6万4000キロ)に到達し、史上最も遠い場所に到達する宇宙飛行士の搭乗可能な宇宙船となる。以下にオリオンに関する7つの特徴を紹介しよう。

1. 複数の宇宙飛行士が搭乗可能


アルテミス1は有人飛行ミッションではないが、アルテミス2とアルテミス3に先立ち、マネキンを使って生命維持装置をテストする。アルテミス3では史上初めて女性と有色人種の人間が月に着陸する予定だ。

オリオン宇宙船のクルーモジュールは4人用なので、最大で4つの寝床(寝袋)を使用することができる。カプセルの6つの窓すべてを覆うシェードがある。最大21日間にわたって宇宙飛行士をサポートすることが可能だ。

2. 3つのパーツで構成されている


オリオン宇宙船は、3つのパーツで構成されている。宇宙飛行士は中央のクルーモジュールに乗船する。上部には、発射台でロケットが故障した際にカプセルを安全に脱出させるための安全装置「ローンチ・アボート・システム」が搭載されている。これはオリオンが軌道に乗った後に切り離され、落下する。

クルーモジュールの背後には、欧州宇宙機関(ESA)が製作した欧州サービスモジュール(ESM)が置かれ、推進力や太陽光発電はもちろん、(水や酸素などを扱う)生命維持装置も提供する。

今回のミッションは、NASAの宇宙船が初めてヨーロッパのエンジニアリングによって駆動されたものとなる。アルテミスはアメリカだけのミッションではなく、グローバルなミッションなのだ。

3. 16個のカメラを搭載している


これはマルチメディア時代のために作られた最初の宇宙船だ。ヒューストンにあるNASAジョンソン宇宙センターで、オリオン計画の画像統合責任者を務めるデビッド・メレンドレズは「オリオンの4つの太陽電池翼のそれぞれには、宇宙空間で使用するために高度に改造された市販のカメラが先端に取り付けられていて、宇宙船の外観を見ることができます」と述べている。

これらのカメラは、エンジニアが太陽電池パネルの位置を調整したり、モジュールそのものを眺めたりするのに役立つだけでなく、地球や月を背景にしたオリオンの「自撮り」写真も撮影できる。
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翻訳=酒匂寛

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