ロイター通信によると、フォックスコンは混乱の原因を、新入社員の採用プロセスにおける「技術的なエラー」としており、従業員の間で採用時に提示されたボーナスが支払われないのではないかという懸念が広がったとされる。
フォックスコンは、不手際の内容を詳しく説明していないが、従業員寮で新型コロナウイルスが発生したという報道については「全くの事実無根」と否定した。鄭州工場では、10月に劣悪な生活環境を理由に逃げ出す従業員が相次ぎ、同社は賃上げと特別ボーナスを提示して彼らを呼び戻していた。
しかし、特別ボーナスを受け取れるのは来年3月まで勤務した従業員に限られることが分かると、新規採用者の間で抗議活動が始まったとブルームバーグは報じている。労働者の怒りを鎮めるためにフォックスコンは、工場を去ることを選択した新規採用者に1400ドルを提示し、彼らの意思を尊重すると述べている。
中国政府のゼロコロナ政策の影響で、同工場の労働者は、密閉された空間での生活を強いられており、食糧や医薬品へのアクセスに苦慮しているという。
「iPhoneシティ」と呼ばれる鄭州の当局は、23日の暴動を受けて高リスクな地域をロックダウンし、住民らに自宅待機を命じた。フォックスコンの鄭州工場はすでに、ハイリスク地域に指定されており、従業員は出入りを禁じられているため、ロックダウンがiPhoneの製造に大きな影響を与えることはないという。
アップルは、今回の暴動についての声明を出していないが、同社は11月初め、鄭州での「新型コロナウイルス関連の制限」によって、フラッグシップモデルのiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxの出荷が遅延すると警告した。
(forbes.com 原文)