Apple Watch は血圧や血中酸素濃度、心電図(ESG)、体温などのデータを収集しており、付属のデバイスを使えば、血糖値を測定して糖尿病患者の支援も行える。
CCS Insightのアナリストは、アップルがこのような豊富なデータへのアクセスを持つことで、保険市場で優位に立ち、消費者のコスト削減を可能にすると考えている。同社のチーフアナリストのベン・ウッドは、「アップルは、非常に競争力のある医療保険のプレーヤーになることができ、米国の医療市場にかなりの影響を与えることになるだろう」と述べている。
このような動きは、アップルがもともと、儲かる医療保険市場に参入するという長期的な目標のために、AppleがWatchを発売したのではないかという疑念を生じさせる。しかし、ウッドはアップルがそのような野心からこのデバイスを発売したとは考えていない。
「本来はファッションアクセサリーとして発案されたWatchは、ティム・クックの指揮下で健康とフィットネスの分野に軸足を移していった。それは自然な進化で、彼らはある日突然、自分たちが持っているデータを見て、“ヘルスケア産業に参入するべきだ”と考えたのだ」とウッドは述べている。
医療保険へのシフトは、すでに好調なアップルのサービス事業をさらに後押しすることになる。アップルのサービス部門はすでに四半期に約200億ドルを生み出しており、CCS Insight は、この部門がさらに成長し続けると考えている。
アップルのソフトウェアとサービス部門の収益は、現状で事業全体の4分の1弱だが、CCS Insight は2030年までに3分の1に上昇すると予測している。
(forbes.com 原文)