中国当局は、外国からの到着便の乗客5人以上がコロナ陽性反応を示した場合、航空会社を一時停止する、いわゆる「サーキットブレーカー」政策の終了を発表した。国務院の通達によると、中国に空路入国する乗客は出発前に新型コロナ検査をこれまでの2回ではなく出発の48時間以内に1回受ける必要がある。
しかし、中国に住所がない外国人旅行者は依然として計8日間ホテルでの隔離が必要だ。
中国政府の声明はこの変更がいつから適用されるのか言及していない。
ロックダウン(都市封鎖)、集団検査、接触者追跡、隔離など極めて厳しい規制により、中国の新型コロナの感染率は比較的低く抑えられているが、それは人々を学校、会社、店、観光地から遠ざけているにすぎない。AP通信によると、現在、中国の西部と南部では数百万人がロックダウン下にある。
パンデミックと積極的な新型コロナ規制は中国の観光部門に打撃を与えている。文化観光省は9月、2019年の水準と比較して国内旅行は27%減少したと発表した。
規制緩和は従来多数の中国人観光客を受け入れてきた外国の都市にも大きな影響をおよぼすと予想される。米旅行協会によると、パンデミック前の2019年に米国に到着した約283万人の中国人は1人あたり平均6700ドル(約93万円)を消費した。
規制緩和のニュースは、すでに中国最大手の旅行・ホテル企業の株価を押し上げている。上海に拠点を置く国内最大のオンライン旅行会社であるTrip.com(トリップドットコム)と、ホテルチェーンのH World Group(Hワールドグループ)の株価は11日に香港証券取引所でおよそ17%上昇した。
米国務省は現在、中国に対してレベル3の渡航勧告を出しており、米国民に「現地の法律の恣意的な執行と新型コロナ関連の制限のため、渡航を再考する」よう勧告している。
(forbes.com 原文)