労働時間が「増えた」と感じる若手 テレワークから出社回帰の現象も

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11月23日は勤労感謝の日。働くことに感謝し、お互い労い合うのが本来の目的だが、自分や周りの働き方に目を向けてみるのはいかがだろうか。
 

ストレスの理由は「給与が低い」


日本生命保険互助会社がことし11月に発表したアンケート(回答者12634人)によると、年代が低いほど労働時間が「増えた」と回答した割合が高い傾向にあった。全体で見ると17%にとどまるが、20代までの28%、30・40代のそれぞれ21%が増えたと感じている。また、仕事や会社で感じるストレスの理由として「給与が低い」が35%で最も多い。
 
この背景として、ニッセイ基礎研究所生活研究部の主任研究員井上智紀氏は「足元の物価の上昇による家計の圧迫が給与面の不満を呼んでいる」と指摘。一方で「コロナ禍での新しい働き方(テレワーク等)」へのストレスが昨年の19%から5%に引き下がっている。これはなぜか。実はテレワークをしていないと答えた人が78%に上り、従来の働き方に戻っている会社が多数派だということが分かる。テレワークの頻度については、平均週1日でもわずか7%、週2日は5%以下にとどまる。
 
テレワークの頻度についてはちょうどいいと答えたのが44%だが、少ないので増やしたいという回答が20%で一定数いることにも注目したい。テレワーク導入でよかったこととして、主に会社員以外(パート・アルバイト・自営業・無職・学生など)を除いた人たちの回答を見ると、「通勤時間の減少」(48%)が最も多く、2番目が「感染リスクの減少」(36%)「家事に充てる時間の増加」(20%)「家族と過ごす時間の増加」(18%)が挙げられている。
 
テレワークについてストレスに感じていることとしては、「コミュニケーションが取りにくい」という回答が全体の43%で、50代で最も多く20代までで最も少ない。中間管理職以上の人たちと若手との間で世代間ギャップが生じている可能性がある。また2番目は「出社しないとできない業務が多くある」ということ。
 
職種によってはテレワークが難しい場合もあるが、出社を前提とした従来の働き方に戻すことが善処なのか、一度立ち止まって考えたいところだ。
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文=督あかり

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