ビジネス

2022.11.03

米ネット販売の進化 年間配送費の平均は約12万円に

Getty Images

配送により、人々の買い物や生活が変化した。それはあなただけではなく、近所の人や友人も同じだ。

渋滞を避け時間を節約するルート作成を行うサーキット・ラウティング(Circuit Routing)は、1000人以上の米国人を対象に調査を実施した。その報告書からは、米国の家庭の4分の3以上が週に1度は配送を受けていることが分かった。毎日配送を受けている家庭はほぼ25%だった。

配送されているものの種類は?


米国人の間におけるネットショッピングの意欲は、アマゾンが書籍のみの販売サイトとして創業して以降大きく進化した。

当時、大半の消費者は服や靴など試着が必要なものをネットで購入することに乗り気ではなかったものの、現在家庭に配送されることが最も多いカテゴリーは衣類で、靴はたいてい3位か4位に入っている。

以前はネットショッピングに不向きと思われていた商品が、便利さゆえにネットショッピングに採用されているのだ。

買い物の姿勢を変えたのは消費者だけではない。小売業者は返品をより楽にし、複数のサイズを注文してどれを手元に残すか決めるまで商品を保留する消費者も許容しなければならなかった。

新型コロナウイルス感染症により消費者の行動が大きく変わってからネット購入への切り替えが最も急速に進んだのはペット関連で、その次は、カンナビジオール(CBD)やスキンケア、スポーツ用品だった。

食品のネット購入はコロナ禍で約20%増加している。8000億ドル(約12兆円)近い食料品は特に大きな小売カテゴリーの一つで、おそらくネット販売に移行する価値が最も大きい商品だろう。これにより、食料品業界には大変動がもたらされている。食料品は現在、最大の自動出荷製品(定期購入)カテゴリーで、この点では今後も成長を継続する可能性が高い。

それでも、ネット販売の成長が著しいサブカテゴリーがいくつかある。家庭に宅配されるビールは過去12カ月で800%増加し、避妊製品は700%増えている。

購入額の変化


ネット購入者は、配送費に平均で年間817ドル(約12万円)を費やしている。

年配者は、若い世代ほどネットでの購入を快適に感じていない。ベビーブーム世代が支払う年間の配送費は約450ドル(約6万7000円)と他の世代よりもはるかに低く、18~25歳のジェネレーションZ世代は年間900ドル(約13万3000円)以上だ。
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翻訳・編集=出田静

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