中古家電で失敗しない5つのチェックポイント

Getty Images




3. 取扱説明書はあるか

説明書があれば、その機器の正しい使い方、手入れ方法、消耗品の交換に関する情報を確認できる。付属していない場合でも、メーカーのサイトでダウンロードできることがある。説明書があれば、適正に使って事故を減らすことができる。

4. 改造されていないか
ユーザーによる改造や不適切な修理が加えられた機器はリユースしないよう、NITEは訴えている。実際に、前の持ち主が内部の電気コードを付け替え、その際の処理が不適切だったために使用中に異常発熱して出火したという事故が起きている。改造や修理の有無は、前の持ち主または販売者側によく確かめておく必要がある。

5. 非純正品の使用がないか
非純正品の使用で、火災などの大事故につながる危険性が高いのが、バッテリーだ。スマホなどに使われているリチウムイオンバッテリーは、通常、バッテリー本体に過充電や過放電などを防止する保護機能が組み込まれているが、安価な互換バッテリーなどでは、保護回路が不完全であったり、保護回路自体がなかったりする。機器によっては、純正品以外のバッテリーの使用を禁止しているものもあるので、そうした機器の仕様や、入っているバッテリーが純正かどうかをしっかり確かめておくことが大切だ。

もうひとつ、購入前に確認しておくとよいのが、その製品が過去に事故を起こしていないかどうかだ。NITEでは、製品名を入力すると、それに関連する事故情報を検索できる「SAFE-Lite」というサービスを提供している。

このようなリユース品の事故をなくすための努力をしているECモール業者もある。たとえばメルカリは、メーカーや輸入業者からの製品の安全に関する情報を提供したり、リコール対象製品の出展を削除するなどの取り組みを行っている。また、機器の経年劣化に関しては、電気用品安全法に基づく「長期使用製品安全表示制度」が2009年に施行され、扇風機やエアコンなど、一部の家庭電化製品に経年劣化に関する注意事項と標準使用期間の表示が義務化された。

リサイクル通信によると、拡大を続けるリユース市場は2021年には約2兆7000億円規模となり、2025年には3兆5000億円に達すると予測されている。古い物を長く使うのは結構なことだが、そこに潜む危険も十分に理解しておかなければ、リユース市場の拡大にともない事故も増えていってしまう。スペックと値段だけでなく、この5つのチェックポイントをしっかり抑えてリユース品を選ぶことを習慣づけたい。

文 = 金井哲夫

ForbesBrandVoice

人気記事