ヨガウェアのブランドとして1998年に創業したルルレモンは、9月1日付けの2022年第2四半期決算で、19億ドルの売上を記録した。前年同期比、29%増の成長だ。今年は、既存のラインナップに加え、テニス、ゴルフ、ハイキングカテゴリーを相次いで追加。日本では未展開だが、シューズラインも加わり、拡大の一途を辿っている。
また、ルルレモンは昨今よく聞くウェルビーイング領域の先駆者でもある。店舗やサイトでよく使われている“SWEAT”というワードは、「体を動かし汗をかくことで心身の健康を実現する」という創業当時からのフィロソフィーそのものだ。
好調のなか、日本では、11月25日に国内8店舗目となる「ルルレモン 青山ストア」をオープンする。成長を牽引する強みは何なのか。ルルレモン アジア太平洋地域シニアバイスプレジデントのガレス・ポープ氏に聞いた。
──増収増益が続いています。この成長の要因をどのように分析していますか。
まず、製品の独自性が挙げられます。我々は製品開発において3つの視点を大切にしています。1つ目は、顧客がそれを着ることで、何をできるのか。2つ目は、それを着ることによって、どう感じるのか。そして3つ目が、その製品によって、どんな問題を解決できるのか。
それらを追求した製品に関して、競合の中ではベストであり、使ってみればその価値をわかっていただけるはずだと考えています。では、最初に顧客にどうアプローチをするか。そこでユニークなのが、創業時から続く“コミュニティ”の存在。ここが他のブランドと異なるところだと思います。
我々の言うコミュニティは、会員制の組織などではなく、各店舗を軸に、そのエリアに暮らす人々、働く人々が自らのポテンシャルを発揮できるようにサポートする活動のことです。例えば、エリア内にジムを持つトレーナーに製品を提供したり、我々が“アンバサダー”と任命するトレーニングやウェルネスの専門家が、店のスタジオでクラスを開催したりすることで、地域のウェルビーイングに貢献すると同時に、来店のきっかけや製品との接点を作り出しています。
コロナ禍において、特にEコマースは好調に推移していますが、我々の世界観を表現し、それを体験してもらう場として、店舗数も速いスピードで増やしていく予定です。